「昔の私みたいだなって思う子もいるんですね。先生たちにいつも怒られてて、勉強もできないっていう子。そういう子とは特に仲よくなれます。気持ちがわかるからかなあ~。

 話をじっくり聞くことから始めて、“わかるわ~”って純粋に共感する。そうすると安心するのか、毎日のように会いに来てくれるようになるんですよ。そういう子ほど素直なんです。きちんと子供と信頼関係を築けば、子供は変わってくると実感しました」

 密着の最後に子育ての不安を抱える本誌読者のために、わが子のやる気を出させる方法を聞いてみた。

「命令で子供の行動を変えることはできません。私の母は命令文を使わずに、とにかく子供を信じてくれた。話をたくさん聞いてくれたし、私という存在自体を認めてくれた。“慶應に行きたい! あの塾通いたい!”と突然言い出したときも、“ワクワクすることが見つかったんだね! 嬉しいよ、ありがとう”と喜んでくれました。

 母のたったひとつの願いは、“ワクワクすることを自分の力で見つけられる力を持ってほしい”ということ。親の気持ちを押し付けるのではなく、どんなことがあっても信じて、理解しようとする姿勢を子供たちに見せてあげるべきなんじゃないかな。母がそうしてくれたから、今の私があると思ってます。私にはまだ子供がいないけど、子供ができたら、そんな子育てをしたい」

※女性セブン2018年6月7日号

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