国際情報

憲法9条の自縄自縛が北朝鮮のミサイルへの防御を阻んでる

実戦配備されている金正恩のミサイル

 融和ムードに騙されたのか、日本メディアは朝鮮半島有事について真剣に論じようとしない。そんな中、北朝鮮のミサイルによる日本攻撃の危険について警告を発する書、『迫りくる北朝鮮の核の悪夢(The Coming North Korea  Nuclear Nightmare)』が3月に刊行された。著者は、中央情報局(CIA)や国務、国防両省、さらには連邦議会で25年以上、北朝鮮の核兵器や弾道ミサイルの動きを追ってきたフレッド・フライツ氏である。ジャーナリストの古森義久氏が報告する。

 * * *
 フライツ氏は日本が北朝鮮のミサイルの脅威に対して有効な自衛手段をまったく持たないことへの懸念を自書のなかで表明している。

「日本の憲法は日本に向けての発射が切迫した北朝鮮のミサイル基地を予防攻撃することを許さない。アメリカに向け発射されたミサイルを日本上空で撃墜することも認めない。憲法9条の規定により日本領土外の敵は攻撃できず、同盟国を守るための軍事行動もとれないのだ。日本は自国の防衛を正常化する必要がある」

 憲法9条から派生する専守防衛、そして集団的自衛権禁止という年来の日本の防衛態勢の自縄自縛が北朝鮮のミサイルへの防御をも阻んでいるというわけだ。

 脅威はミサイルに留まらない。ビンセント・ブルックス在韓米軍司令官は3月中旬の米議会への報告で、北朝鮮が世界最大規模の特殊工作部隊を保有していることを指摘した。さらに北のサイバー攻撃能力がグローバル規模に拡大し、約6000人の要員が暗躍していると証言した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
AIの技術で遭遇リスクを可視化する「クマ遭遇AI予測マップ」
AIを活用し遭遇リスクを可視化した「クマ遭遇AI予測マップ」から見えてくるもの 遭遇確率が高いのは「山と川に挟まれた住宅周辺」、“過疎化”も重要なキーワードに
週刊ポスト
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト