冷麺750円(並盛)※売り切れ次第終了(撮影/松隈直樹)


●冷麺温麺専門店 胡月(大分県・別府冷麺)

 旧満州(中国の東北部)で食べられていた冷麺を和風にアレンジした「別府冷麺」。昭和43年(1968)年から別府冷麺を売り出した「胡月」によれば、別府冷麺はそば粉配合のコシの強い麺、キャベツの自家製キムチ、牛肉のチャーシューの3つが入っていることが条件だという。昨年末まで店に立っていた初代の浦田直美さんが、誕生の舞台裏を明かす。

「かつての別府温泉は農閑期の骨休めや修学旅行生で賑わっていましたが、昭和40年代当時は温泉だけではなかなか人を呼べなくなっていました。これといった名物もなかったので、温泉に入った後に食べられる冷たい麺があれば、セットで町おこしができるんじゃないかなと。そこで別府独自の麺料理を作りたいと考えて、そばでもうどんでもラーメンでもない、新しい麺を作り出したんです」(浦田さん)

 ラーメンとうどんの中間ほどの太さで大陸譲りのもっちりしたコシの強い麺は、アルデンテのスパゲッティのような味わい。力強い麺とマッチするように、葉がやわらかい白菜ではなくパリッとした歯触りのキャベツをキムチに使う。辛さの違う唐辛子をブレンドしたキムチは爽やかな辛みが後を引き、思わずおかわりをしたくなる。醤油ベースの和風出汁は「二日酔いでも喉を通る」というほど、さっぱり。淡いスープと力強い麺が互いの風味を絶妙に引き立てる。

 店は一度閉店したが、10年来の常連客2人が名店の味と想いを引き継いで再開を果たし、別府冷麺の歴史を守っている。

・住所:大分県別府市石垣東8-1-26
・営業時間:月11時~16時/水~金11時~17時半/土、日11時~19時
・定休日・火曜日

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン