奥が「ウォークイン改札」になっている(JR東海提供)
そんな石坂さんの仕事は、駅の改札や窓口などから寄せられる、切符のルールの運用や解釈に関する問い合わせに対応するというもの。彼の鉄道旅行の趣味は仕事にも活かされているようだ。
「他社の鉄道に乗っていると、どのように仕事をしているかはどうしても気になっちゃいます。私の仕事もいわば駅の窓口のバックアップみたいなものですから、切符の発券や払い戻しにはどんな機械を使っているのか、券売機にどんな案内が書いてあるのか、案内板やレイアウトにどんな工夫がされているのか、つい目が行ってしまうんです。
実は、列車に乗っているのも楽しいのですが、駅を見ているのも楽しいので、旅の計画を立てるときにはその時間も考慮してスケジュールを立てていますね」
そうやって「つい目が行ってしまう」中で、“これは便利だなあ”“お客様に優しいなあ”と感じることもあるとか。
「JR東海では昨年、『ウォークイン改札』という改札口を岡崎駅、蒲郡駅、豊橋駅に設置しました。これは有人改札がガラス張りになっていて、静かな環境でお客様に対応ができるように設置されたものです。
そのウォークイン改札のカウンターを、2段にしたのです。他社ではまっすぐの1段になっている駅も多いのですが、低い部分を設ければ、車椅子のお客様などにも使いやすい。この2段の高さについては、他社でも駅のあちこちをつい見てしまう趣味の中で“便利そうだなあ”と思っていたもので、提案して採用してもらいました」