国際情報

米朝首脳会談での駆け引きを握手と仕草から心理士が分析

米朝首脳会談の駆け引きを分析

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、米朝首脳会談での、二人の元首の心理的駆け引きに注目。

 * * *
 北朝鮮の真剣さが「最初の1分でわかる」とトランプ大統領が話していた、史上初の米朝首脳会談が終わった。

「成果がなければ席を立つ」と北朝鮮をけん制していたトランプ大統領だが、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長とともに共同宣言に署名し、何度も笑顔を見せて会談の成功をアピールしていた。確かに握手の仕方を見れば、思惑通りに会談を進めることができたと思っているだろうと分析できる。

 この会談では、トランプ大統領が最初にどんな握手をするのか注目されていた。まず両側から登場した二人が交わしたのは対等な握手だ。先にトランプ大統領が歩み寄りながら手を指し出し、すぐに金委員長も手を出して近寄っていくが、トランプ大統領はそれ以上手を伸ばそうとしないまま握手した。相手との関係性が測れていないからだ。

 だがトランプ大統領の指先は白くなり、握手していた肘が横に張り出していた。力を入れたことがわかる。握り合うとその笑顔が一瞬、やや歪んだ。おそらく金委員長も力を入れて握り締めたのだろう。金委員長の右肩近くを軽く叩く。金委員長は表情を緩めたが、握手を終えると表情が強張った。トランプ大統領の圧力かなりが強かったのだ。対等に見せかけながらもトランプ大統領が心理的優位に立ったようだ。

 1対1の会談では、椅子に座って手を広げ指先だけを合わせて下に向けていた大統領。自信家によく見られる「尖塔のポーズ」という合掌に似た仕草だが、無意識の優位性を表すといわれる親指を、さらに上に向けるのが大統領の癖だ。金委員長はトランプ大統領の右側に座り、大統領側の肘かけに身体をもたせかけた。身体を相手に近づけると好意的な印象を与えやすく、大統領の話が聞きたい、話がしたいというアピールにもなる。トランプ大統領は、そんな金委員長の話を顎を上げて聞いていた。

 側近を交えての拡大会談でも、テレビ映像を見る限り、真ん中に座るトランプ大統領は椅子の背にもたれ、金委員長は前に身を乗り出している。トランプ大統領が手のひらを上に向けて指し出し、握手を求めた。明らかに最初とは違う握手だ。トランプ大統領は確実に主導権を取りにかかった。この形は相手を敬い自分が下手に出ているようだが、実は相手の手首を上に持ち上げることで、相手の動きを封じることができる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
「パー子さんがいきなりドアをドンドンと…」“命からがら逃げてきた”林家ペー&パー子夫妻の隣人が明かす“緊迫の火災現場”「パー子さんはペーさんと救急車で運ばれた」
NEWSポストセブン
豊昇龍
5連勝した豊昇龍の横綱土俵入りに異変 三つ揃いの化粧まわしで太刀持ち・平戸海だけ揃っていなかった 「ゲン担ぎの世界だけにその日の結果が心配だった」と関係者
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン