それはどうしたら防げるのか、というと、やはり人と人とが顔を突き合わせて面談するに限ります。個々の人間に潜む善意や責任感などが、そこではじわっと滲み出るものでしょう。私はそう信じたいですね。しかし今の政府は、行政手続きなどもどんどんITの世界に委ね、簡略化しようとしています。小人閑居して不善をなす、といいますが、今は誰でもPCやスマホで不善をなしています。
人間に直接危害を与えるよりもそういう犯罪の方が多いんじゃないですか。車の暴走なども、直接危害というより操作上の情緒不安定という側面が大きいように感じます。
もっとも加計問題では、面談したという情報じたいがフェイクだったともいわれています。戦時中はこうした箔のついたウソ情報が世の中を動かしてしまったものですが、今はそれに近いのでしょう。権力が知らぬ間に巨大化し、それを守り奉仕するためウソや改ざんまでがまかり通っている。
最も戦争になってほしくない時ですが、不幸なことに最も戦争準備を進めたかたが総理です。しかし目を転ずれば、田畑も森林も海や川も、少なくとも第一次産業に従事する人々にはウソも改ざんもありえない世界です。
第一次産業を軽んじすぎた結果が、今のこの社会ではないでしょうかね。今も野菜の苗は誠実に育ってますし、木々や魚の成長にもウソはありません。ウソも改ざんもない世界は存在し、そこでは生き物たちが誠実に、ウソもなく生き、成長しています。
私たち人間も、ウソや改ざんのない世界に囲まれて生きてるんです。PCやスマホから少し距離を持てば希望はまだあると思います。
※女性セブン2018年6月28日号