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2018.06.21 07:00  週刊ポスト

三遊亭圓丈 復活した「実験落語」で73歳の新作ネタ下ろし

 一之輔は『団子屋政談』。2012年から2014年に掛けて行なわれた企画「一之輔の無茶ぶられ」の第1回で「『初天神』を政談ものに」というテーマを与えられて作った作品だ。前半は一之輔の爆笑編『初天神』がさらにパワーアップ、後半は暴走する大岡越前がバカバカしくて素敵。圓丈が2013年の著書『落語家の通信簿』で「一之輔はこういう噺をやってるらしい」と又聞きで誉めていたから、きっと圓丈のリクエストだろう。

 2016年に愛犬2匹を亡くして以来不調だったという圓丈が「犬たちに背中を押されるように」書いたのが、今日ネタ下ろしする『ナナ、人間になる』。飼い主と一緒にレストランに行きたいメスの柴犬ナナ12歳が、「人間だったらどこにでも一緒に行けるのに」という言葉を聞いて「人間になりたい」と願掛けをし、犬の神様に一日限定で人間にしてもらうという噺で、随所に圓丈の犬への愛情を感じられ、しみじみと余韻が残る。釈台に台本を置いて読みながらの高座だったが、73歳で新作ネタ下ろしというだけでもあっぱれだ。

●ひろせ・かずお/1960年生まれ。東京大学工学部卒。音楽誌『BURRN!』編集長。1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。『現代落語の基礎知識』『噺家のはなし』『噺は生きている』など著書多数。

※週刊ポスト2018年6月29日号

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