「初小川」の鰻重(上)3900円 お新香付(撮影/岩本 朗)
●初小川(東京都台東区雷門2-8-4)
明治40(1907)年の創業当時と変わらない、昔ながらの関東伝統の鰻料理を楽しめる名店。砂糖などの甘み調味料を一切入れない一子相伝のタレは、キリッとした辛口。
女将・河合一恵さんの祖父である初代からの調理法を頑なに守り、現在も紀州備長炭を入れた七輪でじっくり丁寧に焼き上げる。皮はパリッと香ばしく、身はふんわりとろける蒲焼を味わいに親子代々で通う“江戸っ子”も多い。
店で扱うのは国産のみ。「鰻重」(2900円~)の「上」には1.5尾分もの蒲焼がのり、重箱から反り立つ身にも粋な風情が漂う。丼で供される人気の「きも吸い」は、昭和30年代と同じ50円のままと懐にも嬉しい名物だ。
【料理】鰻重(上) 3900円(お新香付)、きも吸 50円