現役選手で有名なのは、ヤクルトの主砲・バレンティン(34)を「カモ」にするDeNAの中継ぎ右腕・加賀繁(33)。2012年の初対決から20打数連続でノーヒットに抑えられていた。
「加賀は2009年のドラ2で住金鹿島から入団。右打者限定の中継ぎ投手として期待されていたが、球速は130キロ台後半で、防御率は4点台後半以上の年ばかり。ただ、沈み込むようなサイドスローが珍しく見えるようで“外国人キラー”としては機能している。とりわけバレンティンには打ちづらかったようだ。2017年5月に加賀からの初安打を打った時は、記念にそのボールを欲しがったほどでした」(スポーツ紙デスク)
打者側の視点から、こうした相性が生まれる理由の一つに“タイミングの取り方”があるとみるのは、ヤクルトなどで4番を打ってきた広澤克実氏だ。
「打者は“イチ・ニ”の2拍子で振る選手もいれば、3拍子でリズムを取る人もいる。超一流になると相手によってリズムを変えることもできますが、多くの打者は自分のリズムでバットを振る。だから、そのリズムが特定の投手のフォームに対して合わなくなると、とことん打てなくなってしまう。
よくいう“打者がタイミングの取りづらいフォーム”というのは、実は打者によって少しずつ違っていて、それが特定の選手同士の相性を生んでいくひとつの理由でしょう」
※週刊ポスト2018年7月20・27日号