筒香嘉智一覧

【筒香嘉智】に関するニュースを集めたページです。

「フレーチャ」によるトレーニングにはどんな効果が?(写真/アイピーセレクト提供)
オリ山本由伸が「やり投げトレーニング」で使用する「フレーチャ」とは
 3月25日の開幕に向け、プロ野球12球団の春季キャンプが佳境を迎えている。シーズンを戦い抜くための「特訓機関」である今、選手たちは最新理論を踏まえた「特殊用具」を使って鍛錬を積んでいる。 2021年のプロ野球でオリックスのリーグ優勝を牽引した「打の功労者」が吉田正尚とラオウこと杉本裕太郎だとすれば、「投の功労者」は間違いなくエース・山本由伸だろう。そんな山本がトレーニングで用いる器具が「フレーチャ」だ。 陸上競技のやり投げよりも軽く柔らかい投擲(とうてき)物を使うジャベリックスローという競技があり、フレーチャは、その投擲物をより野球に適した形状にした。 長さ70センチ、重さ400グラムほどの形状だが、真っすぐ遠くに投げようとすると難しい。力任せだったり、腕や肘だけに頼った投げ方だと、すぐに落下したり、横回転がかかったりして上手く投げられないのだ。 フレーチャを含む野球ギアブランド「アイピーセレクト」のトータルプロデューサー・鈴木一平氏は「投手、野手問わず身体の全体を使ったスローイングの根本を身につけ、故障防止にも繋がるような設計になっています」と語る。 山本は入団1年目の2017年には、右肘の痛みを覚えることもあったというが、フレーチャの導入後は故障とは無縁に。トレーニングで真っすぐ飛ばせる場合は状態がよい、といったようにフォームの確認作業にも役立てているという。スイングの良し悪しを確認できる フレーチャを販売するプロスペクト株式会社に「エスパーダ」というバットがある。こちらはパイレーツの筒香嘉智が使用する器具だ。 その形状は、一目見るとバットの先端から芯、グリップまでがほぼ同じ太さに見える。だが実際は、すべての部分でミリ単位の調整がなされている。 前出の鈴木氏は、エスパーダを「スイングの“前半”が確認できるバット」だと説明する。 バッティングはよく「前で捉えろ」という言い方がされる。ただし、ボールを捉える瞬間(インパクト)に至るまでの、バットを構えてから振り下ろす行程も疎かにしてはならない。「エスパーダを前で振ろうとすると、インパクトを感じられないバランスに設計しています。これを構えてからインパクトの前まで、すなわち“スイングの前半”で感じることができれば、いい軌道になっている、という確認作業になる」 筒香も横浜DeNA時代から愛用し、メジャーにも持参しているという。スイング軌道を確認するこのルーティーンが、昨年の好調に繋がったのだろう。※週刊ポスト2022年3月4日号
2022.02.24 07:00
週刊ポスト
ピッツバーグ・パイレーツ入りが決まった筒香嘉智(時事通信フォト)
筒香嘉智パイレーツ入り、日本復帰はまだ早い 古巣DeNAも選手層厚い
 ロサンゼルス・ドジャース傘下の3Aオクラホマシティを自由契約となった筒香嘉智外野手のピッツバーグ・パイレーツ入りが決まった。2019年オフ、筒香は横浜DeNAベイスターズからポスティングでタンパベイ・レイズへ移籍。2年契約を結んだが、今年5月に事実上の戦力外に。ドジャースへ移籍したものの、打率1割2分、0本塁打、2打点と結果を残せなかった。降格した3Aオクラホマシティでは43試合で打率2割5分7厘、10本塁打、32打点だった。プロ野球担当記者が話す。「筒香は日本にいた頃から変化球には強いが、速球に手こずることもある打者でした。その弱点がメジャーで露呈している。しかし、相当な覚悟を持って渡米しており、簡単には諦めないでしょう。メジャーではまだ通用していないが、3Aとはいえ43試合で10本塁打は立派な数字。徐々に弱点を克服し、いずれメジャーで打てるようになる可能性は十分にある」(以下同) 筒香が自由契約になると、日本球界復帰の話題も持ち上がる。同じ時期に渡米した山口俊は今年メジャーで活躍する夢を断念し、巨人に復帰した。「山口は7月で34歳になりましたし、早めに見切りをつけないと燻ったまま終わってしまう。あきらめることも大事な決断です。ただ、筒香はまだ29歳ですし、アメリカでの経験が今後の野球人生につながると確信しているのでしょう。まだまだ日本復帰は早い。メジャーだろうが、3Aだろうが、納得できるまでアメリカで続けるはずです」 筒香という軸が去ったDeNAは戦力が弱体化すると思われたが、昨年アレックス・ラミレス前監督は佐野恵太を抜擢。前年まで主に代打だった佐野は、筒香と同じ『4番・レフト』の定位置に座って首位打者を獲得した。今年は途中から3番としてチームを引っ張っている。「DeNAは野手の選手層が意外に厚い。仮に筒香が帰ってくるとしても、どこを守らせるかという問題がありました。レフトには佐野がいるし、かつてのポジションであるサードには2017年の首位打者で、今年も3割を打っている宮崎敏郎が定着している。宮崎をセカンドに回して筒香をサードで起用する手も考えられるが、宮崎はもう4年近くセカンドで出場していない。それに、セカンドには新人の牧秀悟がいる。阪神の佐藤輝明の陰に隠れているが、規定打席に達しており、前半戦だけで12本塁打を放っています」 筒香がオクラホマシティを自由契約となった際にDeNAの三原球団代表は「彼の意思を尊重して、今後も注視していきたい」とコメントしていたが、この2年でDeNAの野手陣は順調に育っている。「筒香はもし日本復帰するなら、DeNAを最優先に考えていると思います。球団も渡米時から将来の復帰を願っていましたし、相思相愛でしょう。宮崎が今年FAを取得したので、オフに宣言する可能性もある。ドラフト6位から上り詰めた選手ですが、昨年の梶谷隆幸のように骨を埋めると思われていた選手でさえ出て行くわけですから、宮崎の動向も読めない。DeNAとしては、もし筒香が戻ってくれるなら万々歳でしょう。ただ、何度解雇されたとしても、筒香は契約してくれる球団がある限り、あと数年はアメリカで頑張りそうですね」 まだまだ働き盛りの29歳。もう一花も二花も咲かせたいところだ。
2021.08.16 16:00
NEWSポストセブン
ここから巻き返して美酒に酔えるか(筒香嘉智=右とラミレス監督。2017年。時事通信フォト)
DeNAの「4月最下位」は珍しくない そこから浮上した年は何が違った?
 横浜DeNAベイスターズは4月30日のヤクルト戦で敗れ、6勝21敗4分で借金15となった。勝率2割2分2厘で、首位・阪神と13ゲーム、5位・中日と5.5ゲーム離され、セ・リーグ最下位に沈んでいる。得点96はリーグ5位、打率2割2分7厘はリーグ5位タイ、失点154、防御率4.85はリーグ6位。打てず、守れずの状態が続いている。 過去15年、4月終了時点での最下位は8度ある(横浜ベイスターズ時代も含む)。それらの時と比べてみよう。【2006年】牛島和彦監督(最終順位:6位)7勝15敗2分 勝率.318得点117(3位)打率.254(5位)失点157(6位)防御率6.38(6位) 【2008年】大矢明彦監督(最終順位:6位)7勝18敗1分 勝率.280得点79(5位)打率.267(1位)失点122(6位)防御率4.49(6位)【2009年】大矢明彦監督(最終順位:6位)8勝14敗 勝率.364得点62(6位)打率.228(5位)失点94(6位)防御率3.90(6位)【2011年】尾花高夫監督(最終順位:6位)5勝10敗1分 勝率.333得点62(3位)打率.247(3位)失点75(6位)防御率4.40(6位)【2012年】中畑清監督(最終順位:6位)6勝16敗1分 勝率.273得点46(6位)打率.192(6位)失点88(6位)防御率3.63(6位)【2014年】中畑清監督(最終順位:5位)7勝18敗 勝率.280得点100(6位)打率.245(6位)失点147(5位)防御率5.30(5位)【2016年】ラミレス監督(最終順位:3位)9勝18敗2分 勝率.333 得点86(6位)打率.245(6位)失点108(2位)防御率3.32(2位)【2019年】ラミレス監督(最終順位:2位)10勝17敗 勝率.370得点105(4位)打率.239(5位)失点123(4位)防御率4.08(4位) 8度のうち、シーズン最下位は5度。Aクラス入りは2度あった。 4月終了時点に最下位で、チーム防御率もリーグ最低だった年は、シーズンでも最下位に終わっている。2008年は内川聖一が3~4月で4割2分2厘と打ちまくり、相川亮二が3割7分1厘、金城龍彦が3割2分4厘をマークしたこともあり、チーム打率は1位だったが、得点にはあまり結び付かず、投手陣の崩壊もあり、勝率2割8分と過去15年でワースト2位タイだった。 中畑監督1年目の2012年は、広島・前田健太にノーヒットノーランを食らうなど4月中に4試合連続完封負けも喫している。飛ばない統一球の影響もあってか、月間チーム打率1割9分2厘と打てず、得点46とともにリーグ最下位。先発陣も前年5勝の高崎健太郎が開幕投手を務め、2戦目から6戦目までの先発は三浦大輔を除けば、いずれも前年3勝以下の投手。失点、防御率ともに月間リーグ最下位だった。今年のDeNAは、その2012年よりも勝率が低い。 それでは、5月以降、盛り返した年は何が違ったのだろうか。2016年、就任1年目のラミレス監督もスタートは悪かった。新外国人のロマックが打てず、ロペスも絶不調。梶谷隆幸をケガで欠いたこともあり、4月は得点、打率ともにリーグ最下位だった。しかし、投手陣ではルーキーの今永昇太が勝ち星こそ付かなかったが、5試合中4試合でクオリティスタートを達成し、井納翔一は防御率1.47で3勝を挙げた。チーム防御率2位、失点の少なさでも2位と、5月反抗の準備は整っていたように見える。 ラミレス監督は4月限りで打率1割4厘のロマックに見切りをつけた。日本での実績があるロペスは信じて使い続け、5月に復調。梶谷の戦列復帰もあり、1か月で借金を完済した。ラミレス監督は白崎浩之を「1番・サード」で開幕スタメンに抜擢して重点的に使っていたが、5月終了時点で2割2厘、2本塁打、3打点と結果を残せなかった。そこで6月からは新外国人のエリアンをサードで起用。やがて、ホットコーナーは宮﨑敏郎に落ち着いた。 ラミレス監督は期待を掛ける選手に対し、一定期間チャンスを与えて、結果が出なければポジションを剥奪した。指揮官自ら動いて、状況を打破していったのだ。その我慢と見切りのタイミングが絶妙だったと言えるかもしれない。 6月は9勝13敗と負け越して再び借金生活に突入したが、他チームも交流戦に苦戦していたため、この時点で3位に。7月は筒香嘉智が打率4割2分9厘、16本、31打点と大爆発して14勝10敗と勝ち越した。最終的には、借金2ながらも初のクライマックスシリーズ進出を果たした。 2019年は4月中にまさかの10連敗を喫したが、4月終了時点で首位・巨人と6.5ゲーム差、5位・広島と2ゲーム差と十分反抗の余地はあった。2年前に日本シリーズに進出した時とメンバーもあまり変わっておらず、2016年の経験もあってか、現在ほどの悲壮感は漂っていなかったように思える。 一方、今年のチームは梶谷隆幸、井納翔一という日本シリーズ出場者がFAで巨人に移籍し、キャプテンを務めた石川雄洋もチームを去り、6年間の在籍で酸いも甘いも味わったロペスもいない。主砲として4番に座り続けた筒香嘉智も昨年からメジャーリーグに挑戦している。 正直、選手層は5年前や2年前と比べて厚いとは言えない。5月以降も厳しい戦いが予想されるが、三浦大輔監督はいかにしてチームを上昇させるのか、その手腕に期待したい。
2021.05.01 16:00
NEWSポストセブン
秋山、山口、筒香 日本人メジャーリーガーの三者三様な現在
秋山、山口、筒香 日本人メジャーリーガーの三者三様な現在
 日本のプロ野球はいよいよ6月19日に開幕するが、メジャーリーグは未だ不透明だ。7月初旬の開幕を目指していたが、米国メディア「ジ・アスレチック」は8月以降の開幕で50~60試合の実施になる可能性が高いと報じた。 今年から夢舞台に挑もうとした日本人メジャーリーガーはどうしているのか。元西武のレッズ・秋山翔吾(32)は米国に残って練習を続けている。「米アリゾナ州のキャンプ地からカリフォルニア州ロサンゼルスへ拠点を移し、ウェイトトレーニングで筋力強化するとともに、キャッチボールやティー打撃もやっている。真面目な性格で意識も高いので、開幕がいつになるにせよ、きっちりやるでしょう」(スポーツ紙デスク) 一方、新型コロナの感染拡大を受け、帰国しているのが元巨人のブルージェイズ・山口俊(32)。現在は都内を拠点にトレーニングを続けている。「当初は米フロリダで自主練習に取り組んでいたが、ブルージェイズの本拠地があるカナダが自国民以外の入国を禁止したことを受け、3月25日に日本へ一時帰国した。キャンプではメジャーの公式球への適応に時間がかかりそうだったので、開幕が延期したことでプラスに働く可能性がある」(スポーツジャーナリスト) 元DeNAのレイズ・筒香嘉智(28)も日本に一時帰国しているが、すでにチームは本拠地で個人練習を再開している。地元紙タンパベイ・タイムズによれば、筒香は代理人を通じメールで「週6日、打撃練習などのトレーニングを続けている」と球団に報告したようだが、焦りはないのか。「アマ球界の改革を訴えていた筒香は自分のことよりも、甲子園大会が中止になって落ち込んでいる高校球児たちに心を痛めているといいます。出身地の和歌山県橋本市、横浜高校やDeNAが本拠地を置く横浜市に寄付をするなど可能な限り、試合開催のサポートをするようです」(前出・スポーツ紙デスク) 三者三様でコンディション調整の日々が続く。メジャーデビューの夢がかなうのは、いつになるだろうか。
2020.06.18 16:00
NEWSポストセブン
外国人枠拡大ならDeNAが優勝候補か 破壊力抜群の打線に
外国人枠拡大ならDeNAが優勝候補か 破壊力抜群の打線に
 6月19日、プロ野球が開幕する。セ・リーグは昨年5年ぶりに優勝した巨人、Bクラス転落から巻き返しを図る広島など、6球団の戦力は均衡している印象だ。 昨年22年ぶりの2位につけたDeNAは筒香嘉智のメジャー移籍という戦力ダウンはあったが、ラミレス監督がキャンプの段階から『4番・レフト』に佐野恵太を指名。新外国人選手のオースティンとともに練習試合でも好調を維持しており、筒香の穴は埋まりそうな気配だ。野球担当記者が話す。「1番・梶谷隆幸、2番・オースティン、3番・ソト、4番・佐野、5番・ロペス、6番・宮崎敏郎と続く打線の破壊力はリーグ随一。筒香の不在は感じさせない。外国人選手を野手で3人使うと、中継ぎのパットン、エスコバー、先発予定の新外国人ピープルズのうち1人しか使えないという悩みは出てきますが、中継ぎは昨年ほとんど投げられなかった三上朋也も戻ってきましたし、当面は野手3人、投手1人の外国人体制で行くのではないでしょうか」(以下同) 変則日程となる今季は出場選手登録枠が2人増えて31人、ベンチ入りが1人増えて26人になる予定に加え、外国人選手枠も4人から5人への増員が検討されている。「そうなれば、DeNAが一気に優勝候補の筆頭に躍り出ると言っても過言ではない。それくらい大きな出来事です。巨人は7人、阪神は8人と大量の外国人選手を抱えていますが、実際に戦力として計算できるのは数人しかいない。逆に、DeNAの外国人選手で未知数なのはピープルズぐらい。ルール変更がもっとも有利に働きそうな球団でしょう」 ただ、仮に外国人選手の1軍登録が5人になったとしても、DeNAには悩みの種がある。オースティン、ソト、ロペスを同時に出場させると、どうしても守備面での不安が出てくるのだ。6月10日の巨人との練習試合では、二塁のソトが併殺を取れそうな機会を何度も逸した。「守備の上手い柴田竜拓と比べると、ソトはランナーを残してしまいがちです。打撃を優先させるならソトは二塁でしょうけど、投手からすれば併殺打と思った打球で1アウトしか取れないとダメージは大きい。かといって、外野を佐野、オースティン、ソトの3人にしてしまっては心許ない。 昨年同様、リードすれば早い回から柴田を守備固めに持ってくるのでしょうけど、強力打線を抱えるゆえの悩みです。ソトを外野か1塁で使うなら、ロペスかオースティンを外さなければならない。3人同時出場させるなら、ある程度、ソトの二塁守備には目を瞑らないとならない」 11月に37歳になるロペスは昨年、打率2割4分1厘と若干確実性を欠いたが、31本塁打、84打点とまだまだチームに必要なパワーヒッターであり、142試合出場と体力も十分だ。「ロペスの衰えも考えた上で、オースティンを獲得したわけですが、3人を中途半端に使い続けると、全員が不調に陥る場合もある。常時スタメンなら3人とも30本、90打点を挙げられる選手であり、ソトやオースティンは40本、100打点の可能性も秘めている。自身の体験も踏まえた上で、ラミレス監督が外国人選手をどう使っていくか見ものです」 22年ぶりの優勝に向けて、指揮官はどんな采配を振るうか。
2020.06.11 16:00
NEWSポストセブン
MLB移籍・筒香嘉智が「勝負に行ってきます」と覚悟の一言
MLB移籍・筒香嘉智が「勝負に行ってきます」と覚悟の一言
 元横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智(28)は、今シーズンからMLBタンパベイ・レイズへ移籍する。国際試合で侍ジャパンの4番を務め、無類の勝負強さを見せてきたが、MLBは五輪への選手派遣に慎重な姿勢を崩しておらず、筒香が代表入りする可能性は低い。筒香が五輪直前の移籍を決めたのは、お世話になった球団に移籍金が入るポスティングにこだわったためとされる。筒香は移籍を「運命だと思います」と語る。(取材・文/平尾類=フリーライター)◆古巣への感謝 ベイスターズの10年間でスタッフや選手の入れ替えは多数ありましたが、たくさんの出会いがあり、育ててもらったからこうしてメジャーに挑戦できるようになった。ラミレス監督からも、昨年11月のファン感謝祭で「頑張って」と背中を押してもらえました。 なによりファンの方々には感謝しかありません。入団したときは苦しいシーズンが多かったが、いまや優勝争いできるチームになった。選手のレベルアップだけでなく、溢れんばかりの声援を送っていただけるからこそです。 今年こそ優勝して、フロント、選手、ファンみんなが喜んでいる姿を見たいですよね。キャプテンだったので全選手、平等に接していましたが、自主トレを一緒にやってきた柴田竜拓(26)には期待しています。これまで守備固めで起用されることが多かったけど、昨シーズンはバットでも結果を残した(後半戦の打率は3割3分8厘)。これまで柴田には打撃のアプローチといった技術面だけでなく、野球への姿勢を伝えてきました。先の結果なんてわからないけど、大切なのはどれだけ自信を持って試合に挑めるか。そのための準備が重要なんです。不安は、試合で結果を出すことでしか取り除けない。柴田も新人や若手に伝えていってほしい。チームの中心になる能力はあるし、ならなくちゃいけない選手です。〈筒香は小学生の時に、松井秀喜(元ヤンキースほか)の打撃をビデオが擦り切れるほど見た。2015年の春季キャンプに松井から受けた「4番打者としての心構え」は1日たりとも忘れていないという。その時に松井からプレゼントされた直筆サイン入りのバットは「今でも大事な宝物」と笑顔で語る〉 子供の時はイチローさん、松井さんのバッティングを毎日見ていました。 松井さんは僕よりはるかに凄い方です。NPBだけでなくメジャーでもあれだけ活躍された方なので。当然、松井さんのような活躍ができれば理想ですけど、自分は自分でやれることをしっかりやっていきます。バッティングが期待されていると思うので、まずはバットで貢献したい。 ただ、野球には目には見えない貢献度というのがあります。同じ1本のホームランでも勝負の大勢が決まった時に打つのと、チームを勝利に導く1本では意味合いが違います。首脳陣が求める役割に100%貢献できるのが選手の理想だと思います。渡米してどんな役割を求めているか首脳陣にしっかり聞いた中で自分の役割を全うできるようにしたいですね。──筒香のプロ10年間は決して順風満帆だったわけではない。稀代のスラッガーとして素質を認められ、多くの指導者から助言を受けた。時にそれが自身の意に沿わず、成績が低迷。トレードの噂が出るなど「野球人生の危機」を迎えた時期もあった。それでも、逆境からはい上がり、メジャー挑戦の夢を掴んだ。 数年前、「僕はそんなに強い人間ではないです」と漏らしたことがあった。自分の心に向き合えるから他人に寄り添える。不調の選手がいれば、「やっていることは間違いないから大丈夫」と声を掛け、食事に誘っていた。 常に周囲に気を配る筒香が「全てが新鮮だった」と楽しそうに話していたのが2015年オフのドミニカでの武者修行だった。あれから4年後に叶えた異国での挑戦。「勝負に行ってきます」 覚悟を決めた侍の活躍に注目したい。※週刊ポスト2020年2月21日号
2020.02.13 11:00
週刊ポスト
週刊ポスト 2020年2月21日号目次
週刊ポスト 2020年2月21日号目次
週刊ポスト 2020年2月21日号目次160日後の東京五輪とニッポンの大混乱ウイルス感染爆発が開催中の東京を襲ったら…特集◆101歳の現役医師が実践する「死なない生活」◆「長生きみそ汁」考案 ドクターが教える不摂生を“良薬”に変える習慣◆〈秘蔵写真でプレイバック〉俺たちが心を奪われた「五輪美女」を語ろう◆女子アナ五輪キャスター「最終選考」椅子取りゲーム[相関図で誌上中継]◆選手村分譲マンションは「買い」か「見送り」か大論争◆開会式までに上がる銘柄17◆【クロニクル】日本がいちばん元気だった「1964年」という時代◆筒香嘉智「侍ジャパンの4番に未練はもうありません」◆車、バス、電車から繁華街まで市民生活「大パニック」完全シミュレーション◆“天覧試合”はどの競技に?◆新聞テレビが五輪関連事業を続々受注◆芸能人聖火ランナーに会える場所◆五輪おじさん◆五輪ジャンボ開運売り場◆開会式の“顔”をめぐって都知事選で森と安倍が悪あがき「小池以外にいないのか!」◆新国立ほか「五輪ハコモノ」が大会後に垂れ流す「巨額赤字」◆日本代表「金メダル30個」競技&選手 全実名リスト!◆“ラスト1枠”は俺が獲る! 代表争い「当落線上白熱バトル」ワイド◆黒川検事長「1億5000万円」の闇◆76歳ヒットマン◆鈴木杏樹『相棒』キャストのジンクス◆竹俣紅フジ内定◆羽生結弦「平昌回帰」グラビア◆47都道府県 華麗なるレトルトカレー図鑑◆ロマンポルノが輩出した銀幕のスターたち◆「雪上運動会」2020◆汗だくの楽園 サウナへ行こう!◆高宮まり×岡田紗佳 W役満ボディ◆本仮屋ユイカ ベッドルームの私◆密着 尾崎将司◆密着 ミカエル・ミシェル連載・コラム◆中川淳一郎「ネットのバカ 現実のバカ」【小説】◆平岡陽明「道をたずねる」【コラム】◆二題噺リレーエッセイ 作家たちのAtoZ◆須藤靖貴「万事塞翁が競馬」◆広瀬和生「落語の目利き」◆堀井六郎「昭和歌謡といつまでも」◆秋本鉄次「パツキン命」◆戌井昭人「なにか落ちてる」◆春日太一「役者は言葉でできている」◆大竹聡「酒でも呑むか」◆鎌田實「ジタバタしない」◆綾小路きみまろ「夫婦のゲキジョー」◆大前研一「『ビジネス新大陸』の歩き方」◆高田文夫「笑刊ポスト」【ノンフィクション】◆井沢元彦「逆説の日本史」◆河崎秋子「羊飼い終了記念日」【コミック】◆やく・みつる「マナ板紳士録」◆とみさわ千夏「ラッキーな瞬間」【情報・娯楽】◆のむみち「週刊名画座かんぺ」◆恋愛カウンセラー・マキの貞操ファイル◆ポスト・ブック・レビュー◆医心伝身◆ポストパズル◆プレゼント◆法律相談◆ビートたけし「21世紀毒談」◆椎名誠とわしらは怪しい雑魚釣り隊
2020.02.10 07:00
週刊ポスト
筒香嘉智「侍ジャパンの4番に未練はありません」
筒香嘉智「侍ジャパンの4番に未練はありません」
「あと1年待ってほしかった」──昨年12月、筒香嘉智(28)のMLBタンパベイ・レイズへの移籍が報じられるや、ファンからは嘆きの声が漏れた。国際試合で侍ジャパンの4番を務め、無類の勝負強さを見せてきた。悲願の「東京五輪金メダル」のため、柱として期待されてきた男が口にしたのは東京五輪との“決別”だった。◆「動く球」への対応は 今は日によって感情が変わりますね……ワクワクしている気持ちが勝つ日もあれば、不安が勝つ日もあります。〈2月17日(日本時間18日)のキャンプインを間近に控えて自主トレ中の筒香に意気込みを聞くと、返ってきたのは侍ジャパンの4番を務めてきた男らしからぬ言葉だった〉 珍しい? そうですね(笑い)。メジャー挑戦は憧れでしたが、やったことがない環境なので今までの何が通用して、何が通用しないのか。それすらも行ってみないとわからない。 グラウンド外のことはそんなに心配していません。本拠地のフロリダ州セントピーターズバーグは日本食が少ないエリアのようです。家族は日本に残していくので、食事を心配されますが、元々ジャンクフードはほとんど食べない。高校の同級生が練習パートナーとして渡米してくれるので、野球漬けの日々を送ることになると思います。 想像がつかないのはグラウンド内ですね。よく「動く球への対応はどう考えていますか」と聞かれますが、体感したことがないので答えようがない。メジャーのテレビ中継を見ると、凄い変化球を投げているように見える。ただ、日本の中継とカメラの角度が違います。日本の投手と比べて曲がりがどのくらい違うのか? 打席に立ってみないとわからないというのが正直な気持ちです。だから自信がありますかと聞かれて、あるとも言えない。内野を守ることも同じですね。準備は当然しますが、とにかく行ってみないと分からない。〈NPBで10年間プレーしての決断は満を持しての挑戦にも見えるが、今年は東京五輪が開催される。筒香は2015年のプレミア12、2017年のWBCで侍ジャパンの4番を務めてきた。「自国開催の五輪は一生に一度」と出場を熱望する選手が多い中、違う道を選んだ。MLBは東京五輪への選手派遣に慎重な姿勢を崩しておらず、筒香も代表入りは難しい〉◆これも「運命」 侍ジャパンは球界を代表する選手と刺激し合える貴重な機会だったので財産になっています。なかでも「侍ジャパンの4番」は特別な場所です。元々、4番は打席の結果ひとつで、流れを良くも悪くも変えることができるポジションだと思っています。DeNAの時も責任感はありましたが、国際試合は過去に対戦がほとんどない投手を相手に日の丸を背負って戦う。言葉にできない独特の重圧や責任感があります。WBCでは全試合(7試合)で4番で使ってもらい、一定の成績を残せましたが(3割2分、3本塁打)、チームは準決勝で敗退してしまった。今も悔しさは忘れません。 昨年11月のプレミア12で4番に座った広島の鈴木(誠也)選手(25)が東京五輪でも4番として引っ張ってほしい。2017年のWBCなどで一緒になりましたが、彼のプレーは日本中を元気にする力がある。プレミア12で見せた圧倒的な成績(首位打者、最多打点、最多得点の三冠で大会MVP)を見れば、僕よりよっぽど素晴らしい4番だと思います。 ただ、鈴木選手の存在に関係なく、「東京五輪に出場するために、メジャー挑戦を遅らせる」という考えや計算はなかったです。メジャーに挑戦しようと思ったときから海外FAでなく、ポスティングで移籍しようと考えていたので。ポスティングは球団が行使するタイミングを決めるので……希望は言えても最終的な判断は僕には左右できない。だから割り切れている部分はあります。これも運命だと思います。迷いや未練はないですね。 基本的には自分ですべて決めてきたので、今回のメジャー挑戦も迷ったり、誰かに相談したとかは一切なかったです。〈筒香はポスティングによるメジャー移籍の考えを以前からフロントに伝えていた。東京五輪に出場し、最短で2021年シーズン中に取得する海外FA権を行使してメジャー移籍という選択肢もあったが、育ててもらった球団に恩返ししたい気持ちが強く、球団に譲渡金が入るポスティングにこだわった〉◆取材・文/平尾類(フリーライター)※週刊ポスト2020年2月21日号
2020.02.10 07:00
週刊ポスト
DeNA外国人枠争い、ソトとロペスのどちらかが二軍の可能性も
DeNA外国人枠争い、ソトとロペスのどちらかが二軍の可能性も
 プロ野球の世界では、主力選手が移籍して、チームの再構成を迫られることがある。ラミレス監督率いる横浜DeNAベイスターズでは、長らく主砲としてチームを支えてきた筒香嘉智(28)が、大リーグタンパベイ・レイズへ移籍した。 筒香の代わりに、メジャー通算33本のオースティン(28)を獲得。そこで勃発したのが熾烈な外国人枠争いだ。DeNA担当記者が語る。「ラミレス監督は2年連続本塁打王のソト(30)とロペス(36)を一塁で併用するプランを示唆しています。4人の外国人枠のうち、救援のエスコバー(27)、パットン(31)の2人は勝利の方程式として不可欠な存在のため、ソトかロペスのどちらかが二軍で飼い殺される可能性がある。 現状は2018年に41本塁打、昨季は43本塁打を打ったソトがリードしているが、ロペスも昨季31本塁打をマークしていて、選手から守備の信頼も厚い。ラミレス監督の決断に注目が集まっている」※週刊ポスト2020年2月14日号
2020.02.08 16:00
週刊ポスト
筒香嘉智、菊池涼介、秋山翔吾のメジャー挑戦でくすぶる火種
筒香嘉智、菊池涼介、秋山翔吾のメジャー挑戦でくすぶる火種
 プロ野球の話題の中心はストーブリーグへ、という季節になった。毎年、注目があつまるメジャーリーグ挑戦組だが、今年はポスティングでのメジャー移籍を目指すDeNA・筒香嘉智(27)と広島・菊池涼介(29)、そして海外FA権を行使した西武の秋山翔吾(31)だ。 いずれも移籍先として複数球団が取り沙汰されているが、MLB研究家の福島良一氏はこう指摘する。「筒香は左の強打者を求めているホワイトソックス、菊池は“まるでニンジャ”と評価が高いセカンド守備を買っているジャイアンツ、秋山は機動力のある外野手がほしいカブスが有力とされます。そうなれば秋山はダルビッシュ有とチームメイトになる」 不安要素は、二刀流の大谷翔平を例外として、近年は日本人野手の評価が低くなっていることだろう。移籍交渉が決裂した場合、FA権を行使している秋山は国内球団の獲得戦が予想される。「西武が残留に4年20億円を提示しているというが、ソフトバンク、楽天、巨人が西武を上回る好条件を出すとみられています。西武内には“国内移籍の条件を吊り上げるために海外FA権を行使したのでは”という見方さえある」(スポーツ紙デスク) ポスティングシステムを利用する筒香、菊池はDeNAと広島に残留となるが、それぞれに火種があるようだ。「菊池は国内FA権も取得していたが、海外移籍しない場合は残留ということで球団は感謝している。ただ、菊池の穴を埋めるべく獲得した前フィリーズのホセ・ピレラ内野手が無駄になる可能性が出てくる。 それ以上に問題となりそうなのがDeNA。すでに筒香の譲渡金を前提とした補強戦略を進めており、他の選手も“筒香マネー(今季推定年俸4億円)”が分配されることを期待している。出戻りとなれば、球団やチームメイトとギクシャクするかもしれない」(同前) 12月9日~12日のウィンターミーティングが、3人の分岐点になりそうだ。※週刊ポスト2019年11月29日号
2019.11.22 07:00
週刊ポスト
DeNA優勝への最大のカギは「ラミレス監督の落ち着き」か
DeNA優勝への最大のカギは「ラミレス監督の落ち着き」か
 DeNAが21年ぶりのセ・リーグ優勝へ向けて、首位・巨人を猛追している。8月2日からの直接対決で3連勝し、0.5ゲーム差(記録は8月5日現在。以下同)に。3位・広島を含めた三つ巴の混戦を抜け出すポイントはどこにあるのか。野球担当記者が話す。「ラミレス監督が動き過ぎないこと、データに拘泥し過ぎないことでしょう。奇策は機能すれば“ラミレス・マジック”と称えられますが、ハマらないとファンに叩かれるだけでなく、選手が混乱します」(以下同) 今季、序盤のDeNAは4月16日から28日まで10連敗、5月3日から8日まで5連敗を喫するなど最下位を独走。ラミレス監督の更迭すら囁かれていた。「開幕当初は4番の筒香嘉智以外のネフタリ・ソト、ホセ・ロペス、宮崎敏郎というタイトルホルダーの打順すらいじり過ぎていた。クリーンアップのマイナーチェンジを繰り返したことが、勝てない一因だったように思います。もちろん、宮崎の絶不調は別に原因があったのかもしれませんが、打順を変えられ過ぎたこともその一因にだったかもしれません」 3、4月に打率1割6分5厘と不振にあえいだ宮崎も5月2日のヤクルト戦でタイムリーを含む2安打を放ち、復調の気配を見せた。5月6日から6月6日までの1か月は1試合を除き、2番に定着。5月は打率3割6分7厘と、完全復活となった。「今年、DeNAは4連勝以上が5回。その時の打順を見ると、1番から5番までが固定されています。ラミレス監督が落ち着くと、選手の潜在能力が発揮できている印象です」 5月17日から22日まで、5月29日から6月1日までの各4連勝では神里和毅、宮崎、ソト、筒香、ロペスの順番を動かしていない。6月8日から12日までの4連勝では2番が桑原将志1試合、石川雄洋3試合と変わっただけで、1番・神里、3番・宮崎、4番・筒香、5番・ロペスは同じ。 6月23日から7月2日までの4連勝(1分挟む)は交流戦とリーグ戦がまたがっていたこともあり、やや入れ替わっているが、5試合中3試合は神里、ソト、ロペス、筒香、宮崎だった。7月19日から27日までの7連勝(1分挟む)では1番は乙坂智、大和、神里と変わっていたが、2番・筒香からソト、ロペス、宮崎という4人の打順は動かしていない。「前日まで3連勝中だった4月13日にはソトと宮崎の打順を動かしたものの、1点しか取れずに敗戦している。最近のラミレス監督は打順を4月のようにはいじらなくなった。反省を生かして、采配を揮っている。この方針を貫けるか。8月2日から巨人を3タテした時も、1番から5番までは動かしていない。このまま奇策と王道のバランスの取れた作戦を展開できれば、セ・リーグ制覇も夢ではないでしょう」 DeNAの21年ぶりの優勝は、ラミレス監督の手腕に懸かっている。
2019.08.07 07:00
NEWSポストセブン
原監督は丸を叱責したが… なぜ強打者に見逃し三振が多いのか
原監督は丸を叱責したが… なぜ強打者に見逃し三振が多いのか
 プロ野球セ・パ交流戦の熱い戦いが、各地の球場で繰り広げられている。チャンスに手に汗握っていると、「見逃し三振」にがっくりということもあるだろう。かねて野球界には「見逃し三振はけしからん」という風潮があった。だが、その常識が変わりつつあるという──。「バットを振らなければ、何も始まらない」「前に飛ばせば、相手のエラーもある」 少年野球レベルから、野球界では耳が痛くなるほど言われていることだ。プロ野球の世界でも、それが垣間見えたシーンがあった。 5月22日、東京ドームで行なわれた巨人対DeNAの一戦。4点を追う9回裏の先頭で打席に立った巨人の丸佳浩(30)は、守護神・山崎康晃(26)が投げた内角のツーシームに見逃し三振を喫した。「負けているとはいえ、クリーンアップが見逃し三振、見逃し三振ではね」 試合後、原辰徳監督(60)は丸に対してそう苦言を呈した。そこから丸の調子は急ブレーキ。何より目立ったのは、初球や2球目を簡単に打ちにいって凡退する姿だった。「見逃し三振」を避けたいあまり、早いカウントから打ちにいこうとの気持ちが働いたのかもしれない。 だが、球界関係者からはこんな声が漏れ聞こえてくるのだ。「現代野球では、見逃し三振を責めるのはナンセンスです」◆追い込まれても本塁打狙い 丸は昨季ダントツの出塁率.468を記録し、打率も3割をマークした一方で、リーグワーストの130三振を喫している。ベテランのスポーツ紙デスクはこう分析する。「甘い球をじっくり待って、一振りで仕留めるのが丸の打撃です。投球を見極めようとする分、カウントが混んでくる。四球が増えて出塁率が上がる一方、追い込まれることも多いので三振も多くなります。逆に言えば、早打ちになると、丸本来の打撃ではなくなる」 データからも「見逃し三振」の多さは、決して“ダメな打者の条件”とは言い切れない。 昨季、両リーグを通じた見逃し三振のランキングを見ると、1位は広島・鈴木誠也(24)の42個。巨人・岡本和真(22)が39個で続き、以下、広島・田中広輔(29)、DeNA・筒香嘉智(27)、ヤクルト・山田哲人(26)と、さながら侍ジャパンのような豪華な顔ぶれが並ぶ。野球ジャーナリストの広尾晃氏が言う。「好球必打でしっかりと自分のバッティングをするので、好成績を残す。かたや、際どい球は見逃すので、見逃し三振が多くなる」 打者の心構えが変化したことにも理由がある。イチローを育てた元オリックスコーチで捕手出身の河村健一郎氏が指摘する。「以前は、打者は追い込まれると70%は速い球を待ち、30%は遅い変化球を待ちました。ですが、今はツーストライクでも極端に狙い球を絞っている。 西武の山川(穂高、27)や森(友哉、23)が典型ですが、読みと合えばフルスイングでスタンドまで運ぶし、違ったらバットが出ない。バッテリーからすれば、当てにくるより見逃し三振覚悟のバッターの方が怖いです」 ヤクルト、巨人、阪神で4番を任された野球評論家の広澤克実氏が続ける。「確かに僕の現役時代には、バットを振らずに三振するのは最悪だと言われました。ベンチに戻ると“振らないなら誰を立たせてもよかった”と叱られたものです。 ですが、今の野球でチームの中心選手に求められているのは、三振しないことではなく、ホームランやヒットで打点を挙げ、チームを勝利に導くこと。それがシーズンを通して、どれだけできているかが評価の対象であって、試合ごとの凡打の内容まで細かく指摘されたら、今の選手はそれだけで調子を崩してしまいます」 球団も、最近は“見逃し容認”に傾きつつあるという。パ球団の選手査定担当がいう。「ヒットエンドランのサインが出ていたようなケースを除けば、以前と違い、見逃し三振が契約更改時の選手の査定にマイナスになることはありません。とはいえ、勝敗を分かつシーンで強打者が見逃し三振に倒れれば、ベンチの士気にも影響する。見逃し三振はしないに越したことはありませんよ」◆怒られたくないから当てにいく セ球団の元コーチもこう語る。「打つ気が見られないなら別ですが、ピッチャーの球種も増えて審判のジャッジにも左右される部分も大きいので、見逃し三振にペナルティというのは今の野球ではあまりない。以前は、見逃し三振でベンチに帰って来るとチームメイトからもボロクソに言われましたし、罰金もありました」 罰金もある上に査定が下がるとなれば、ともすれば「とりあえず当てとけばいい」という思考にもなりがちだが、野球賭博の問題(※)もあり、罰金制度は現在では多くの球団で廃止になった。(※2015~2016年の野球賭博問題の際、複数球団で、公式戦の勝敗や個人の結果に関して金銭を集め、オフシーズンに分配するといった罰金制度があることも発覚し、騒動になった。)「我々の時代は、追い込まれたらバットをチョコンと出して当てにいっていました。怒鳴られますからね。 でも、それでボールに食らいついていき、結果ゲッツーになってチャンスを潰すことも多くありました。それは、試合に勝つために最善とは言えません。見逃し三振になってもいいから、ホームランを狙う方が結果的にチームに貢献できるというように、野球に対する考え方が変わってきたのでしょう」(前出・河村氏) 日々、野球の技術が進歩するように、野球の常識も変化している。※週刊ポスト2019年6月21日号
2019.06.10 11:00
週刊ポスト
野球評論家・達川光男氏
達川光男氏「今年の交流戦はセが強い。優勝候補はDeNA」
 セ・リーグ球団のファンにとって憂鬱な季節がやってきた。6月4日から「セ・パ交流戦」が開幕。例年、パ・リーグ球団が大きく勝ち越す「パ高セ低」が恒例となってきた。ところが、である。「今年のパは弱いよ。セの球団は、交流戦で勢いをつけるじゃろうね」 そう力強く言い切るのは、野球評論家・達川光男氏だ。 現役時代は広島で捕手として黄金時代を支え、引退後は広島の監督、阪神、中日のコーチを歴任し、昨年はヘッドコーチとしてソフトバンクを日本一に導いた。そのキャリアを通じて両リーグの野球に精通する達川氏が、「今年はセが勝つ」とみる最大の理由が、「パの投手力の弱体化」だ。「これまで、交流戦でパの球団が強かったのは、投手力によるところが大きい。過去にはダルビッシュ有(32、現カブス)、田中将大(30、現ヤンキース)、大谷翔平(24、現エンゼルス)といった球界を代表する速球派エースがおったし、昨年も西武の菊池雄星(27、現マリナーズ)が交流戦3試合で防御率0.86(2勝0敗)と抜群の出来じゃった。 普段からええピッチャーと対戦しとると、対策を練るバッターも育つ。ソフトバンクのヘッドコーチになって、選手たちがマシンを150km以上に設定して練習しているのを見た時は驚きましたよ。だから、パの打者たちは交流戦には自信を持って臨めていた。ところが、今年のパは全体的に投手の層が薄くなり、不調の主力も多い。これはセのほうが有利じゃろうね」(以下、カギ括弧は達川氏)◆セの“初モノ”をパが打てない メジャー移籍した菊池の他にも、“セの天敵”だったエースたちが今年は揃って姿を消している。「楽天の則本昂大(28)は右ヒジの手術で離脱中だし、オリックスの西勇輝(28)はFAで阪神に移籍。昨年、来日1年目で13勝を挙げたロッテ・ボルシンガー(31)も調子が全く上がらない。セの球団が嫌がるのは、すでに5勝を挙げて防御率1点台(5月29日終了時点、以下同)のソフトバンク・千賀滉大(26)くらい」 打力の面でも昨年からの見劣りが否めないという。ソフトバンクは、強力打線から柳田悠岐(30)が負傷で戦線を離脱。「柳田がおらんと相手が受ける印象がかなり違ってくる。交流戦のソフトバンクは、試合前の打撃練習で、柳田をはじめ長距離砲の打力を見せつけ、相手をビビらせて勝っとったところがあった。それができんからね。フルスイングの力強さなら西武の山川穂高(27)や森友哉(23)も凄いけど、浅村栄斗(28)が楽天に移籍して打線としての破壊力は落ちた。日本ハムも清宮幸太郎(20)が一軍に上がってきたといっても、まだまだ迫力不足じゃね」 そうしたパの弱体化とともに、「セの投手陣の新戦力」の充実も、達川氏がセ有利とみる理由の一つだ。「スコアラーからの情報や映像と、実際に打席に立つのではだいぶ印象が違う。交流戦で初対戦の投手を打つのはもともと難しい上に、今年のセの若手には面白いのが多い。DeNAのドラ1・上茶谷大河(22)はスライダーがいいし、3年目ながら交流戦で登板がないカープの床田寛樹(24)も初見では打てんと思うよ。特に床田は左対左で内角に厳しく投げられる。パにいないタイプの左腕です」 その上で交流戦の優勝候補には、意外にもセで最下位争い中のDeNAを挙げる。理由は調子を上げてきた主砲・筒香嘉智(27)に加え、投手陣の陣容にあるという。「近年のパの打者は左投手に弱い。5勝をあげ、防御率1.63のエース・今永昇太(25)に加え、濱口遥大(24)や東克樹(23)、石田健大(26)と左を揃えとるDeNAが交流戦で一気に立ち直る可能性は十分あると思うよ」※週刊ポスト2019年6月14日号
2019.06.04 16:00
週刊ポスト
ラミレス監督が「動かない」ことでチームも復調へ(写真:時事通信フォト)
DeNAラミレス監督、チームを復調させた「打順固定」の効果
 ラミレス監督の休養説まで飛び出していたDeNAが持ち直している。4月中旬から下旬に10連敗、5月初旬にも5連敗を喫するなど低迷していたが、オーダーを固定してから状態が上向いている(記録は5月26日現在)。野球担当記者が話す。「5月8日以降、ソトが自打球の影響もあってスタメンを外れた12日の広島戦を除けば、1番・神里和毅、2番・宮崎敏郎、3番・ソト、4番・筒香嘉智、5番・ロペスという上位打線が固定された。これが復調の大きな要因でしょう」(以下同) 5月6日までは12勝21敗と借金9だったが、現在の1~5番になった8日以降は7勝7敗とタイの成績に。その間、神里は3割1分1厘、1本、2打点、宮崎は4割、4本、10打点、ソトは3割2分6厘、3本、11打点と好調だ。「筒香は2割8分3厘、2本、8打点、ロペスは2割6分3厘、4本、11打点ですが、ラミレス監督も『1番から5番は固まってきた』と話しており、今後はよほどのことがない限り、この打順で行くでしょう。4月は宮崎の絶不調、ソトやロペスも調子に乗り切れなかったため、ラミレス監督は中軸も何度も動かしましたが、力を発揮させるためには、相手や球場などの相性以上にルーティンが大事だと結果が物語っています。神里を除いた4人はタイトルホルダーですし、同じ打順でどっしり構えさせたほうがいい」 ラミレス監督は就任2年目の一昨年はオーダーを固定し、クライマックスシリーズで阪神と広島を破って日本シリーズに進出した。しかし、昨年はスタメンオーダーを取っ替え引っ替えし、Bクラスに沈んだ。「固定すれば『あの選手がいるのになぜ使わない』と批判され、日替わりオーダーにすれば『もっと落ち着け』と指摘される。外野は結果だけを見て言うし、プロスポーツですからファンから意見が出てナンボでもある。だからこそ、監督業は信念と柔軟性が必要になる。一貫性は大事だが、自分の言葉に縛られてしまうのも良くない。人は考え方が変わって当然で、それが成長でもある。ラミレス監督は頑固な面もありますが、失敗したら反省して切り替えられる」 セ・リーグは序盤、調子が上がらずに最下位の時期もあった広島が4月下旬以降、盛り返して首位に。この間まで首位争いをしていたヤクルトがケガ人の続出もあって、5位まで転落。混沌とした様相を呈している。「どのチームも戦力が拮抗している証拠でしょう。DeNAは3位・阪神と6.5ゲーム差ありますが、Aクラス入りの可能性は十分ある。どのチームもそうですが、交流戦がポイントになる。DeNAはラミレス体制になってから交流戦で大崩れはしていない。DHが使えることも打撃陣のコマが揃っているDeNAにとってはプラス材料。ラミレス監督がこのままオーダーを固定していけば、1か月も経てば、Aクラスにグンと近づいているかもしれません」 はたして、交流戦後のセ・リーグの順位はどうなっているか。
2019.05.27 16:00
NEWSポストセブン
不振のDeNA、頻繁な打順変更が打線に与える「負の影響」
不振のDeNA、頻繁な打順変更が打線に与える「負の影響」
 今季開幕前は優勝予想をする評論家もいたほど、前評判の高かった横浜DeNAベイスターズ。しかし、4月16日から10連敗を喫するなど12勝21敗(5月6日時点。記録は以下同)でセ・リーグ最下位に低迷している。首位・巨人とは早くも8ゲームもの差がついた。 自慢のはずの打線が、リーグ最下位の打率2割3分2厘と奮わない。2017年の首位打者・宮崎敏郎が打率1割台、同年の打点王であるロペスも調子が上がらず、2018年の本塁打王のソトもホームランこそ出ているものの、打率が上がってこない。野球担当記者はこう分析する。「勝てないと策を講じるのは当然ですが、ラミレス監督が打順を動かし過ぎのように感じます。4番の筒香嘉智こそ固定されているものの、他は流動的です。一昨年、クライマックスシリーズを勝ち上がり、日本シリーズに進出した時は不振でも桑原将志や倉本寿彦を使い続けて復調させるなど我慢強さを見せていたが、去年から頻繁に先発メンバーを変更するようになった」(以下「」内同) 今年は33試合を終えた時点で、ラミレス監督が2試合連続以上同じオーダーを組んだのは4月4日と5日、25日と27日、5月1日から3日の3パターンのみ(9番の投手を除く)。また、就任以来、強打者を2番に置くことを理想としており、今季もソトを9試合、宮崎を1試合起用している。「ソトの成績は2番でも、クリーンアップでもあまり変わらない。しかし、ソトが2番に入れば、必然的に打順が動く。ロペスや宮崎が3番から5番になったり、5番から6番に下がったりする。同じクリーンアップでも、筒香の前を打つ3番と後を打つ5番ではだいぶ違う。細かいようですが、1回に確実に打順が回ってくる3番と回ってこないかもしれない5番では、心構えが全く異なるんです。 打順が固定されていれば、前夜からシミュレーションできるが、試合前に打順を知ると、その時間もほとんど作れない。宮崎が不調に陥ったり、ロペスが波に乗り切れていなかったりする原因の1つに、頻繁な打順の変更があると思います。毎試合、何人もの守備位置が変わったら連係プレーに不安を残すように、打順にも相応の配慮が必要ではないでしょうか」 10連敗を脱出した4月29日の巨人戦では、小技の効く石川雄洋が一軍昇格即2番スタメンで起用され、勝ち越し2ランを放つなど猛打賞の活躍を見せた。その石川が『2番・セカンド』で先発出場し、1番から5番までの打順が固定されていた4月29日から5月3日までは3勝2敗と勝ち越していた。しかし、5月2日に2得点、3日に1得点に終わったためか、ラミレス監督はその後石川を外し、クリーンアップも組み替えたが、結果は3連敗だった。「打てないから動かすのか、動かすから打てないのか。どちらかはわかりませんが、中軸の筒香、ロペス、宮崎、ソトはタイトルホルダーであり、打線の潜在能力が高いことは間違いない。去年はクリーンアップに関してはあまり動かさなかったが、今年は相手投手や球場との相性を考えてロペスとソトの打順をマイナーチェンジしています。 しかし、復調してきた宮崎を含め、彼ら3人も相性によって打順を変えるより、固定させて落ち着いて打たせたほうがいい。ラミレス監督が現役時代、巨人で首位打者と最多安打を獲得した2009年、本塁打と打点の2冠王に輝いた2010年は、いずれも全試合で4番でした。今こそ、自らの現役時代を思い出すべき時ではないでしょうか」 DeNA浮上の鍵は、ラミレス監督の我慢に懸かっているかもしれない。
2019.05.07 16:00
NEWSポストセブン

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