柳田悠岐一覧

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SB柳田悠岐 打撃8冠独占狙うなら打順は「何番」がベストか
SB柳田悠岐 打撃8冠独占狙うなら打順は「何番」がベストか
 前代未聞のシーズンに戸惑う選手が多いなか、ソフトバンク・柳田悠岐(31)が打ちまくっている。前人未到のタイトル“総ナメ”まで見えてきた。偉業達成の鍵は「打順」が握っている──。「相手投手からすればいまの柳田はヒットなら儲けもの。インコースの球さばきは見事で、アウトコースも右手1本で跳ね返すなど考えられないバッティングをする。パ5球団の投手は投げる球がない状態ですね」 ソフトバンクや西武などで投手コーチを歴任してきた杉本正氏は、柳田をそう賞賛する。 柳田は8月に調子を上げ、打率は3割6分8厘、15本、38打点(8月19日時点、以下同)。8月14日終了時では打率、本塁打、得点、安打、出塁率、塁打、長打率で“7冠”となっていた。しかも長打率7割2分1厘、出塁率4割8分4厘といった数字は歴代1位に迫る。今季は6連戦が続き負担が大きいが、いまの柳田には追い風だという。「同一カード6連戦になると、1人のバッターが25~30打席も立つわけで、調子がいい選手は打ち続けられる。柳田には絶好の状況です。中継ぎやストッパーは毎日投げるので、捕手はリードで頭を抱えている」(杉本氏)「得点」を稼ぐか「打点」を狙うか この状況下で悩ましいのが、柳田の「打順」だ。工藤公康監督は固定しておらず、今季の開幕当初は3番だったものの8試合で2番、8月19日には今季初の4番を任された。昨季は5番に座ることもあったし、2017年のCSでは衝撃の「1番起用」が話題となった。 打順によって調子の浮き沈みもあれば、狙いやすいタイトルも変わってくる。ひとつでも多くタイトルを狙えるのは何番なのか。 柳田自身は今年1月のトークショーで「1番やと準備が忙しいし、4番は初回に打順が回ってくるか分からないのが嫌」として、初回に打席が回ってくる2番か3番で打ちたいと明かしている。 ジャーナリストの広尾晃氏の協力のもと、2011年から2020年まで、柳田の打順ごとの成績をまとめたのが別掲表である。打席数に開きがあるが、傾向は窺える。広尾氏が語る。「1番だと出塁率は5割に迫り、得点に繋がりますし、3番は高い打率で安定しています。ただ、注目は2番に置くと長打率が飛び抜けて高くなり、1試合あたりの打点が1点を超えていること。メジャーでは先制点を取るために2番に強打者を配置することが多くなっている。柳田は打順の役目を理解していて、走者がいなければホームランを積極的に狙っていると考えられます。今の柳田は狙って打てる状態なので、2番がベストでしょう」 杉本氏も2番に据えたほうが対戦相手に重圧をかけられるという。「初回に限っていえば、2番で出塁されると、1アウトでクリーンアップに回る。初回から大チャンスになるわけです」 総合すれば「ホームラン」「得点」の記録を伸ばしやすいのは、2番という指摘である。 一方、広島商業の先輩でヘッドコーチとしても柳田を指導してきた達川光男氏は3番を推す。「柳田のIQは知らんけど野球脳はもの凄い。配球を読む力はズバ抜けとるよ。大きいのが欲しいときは長打を狙うし、タイムリーが欲しいときはヒットを狙える。2番では走者が溜まっていないことが多いけん、そのケース打撃が活かされない。それに柳田は打席に入る前に投手の球筋をよう見よるもん。1球でも多く見られるという点でも3番がベストだと思う」 タイトル争いでいえば、現在はリーグ5位の「打点」も伸ばして“8冠”を目指してほしい。そのためには3番で能力が最大化されそうだ。ただし、“走者を返す役”になる以上、“自分が返る役”の2番より「得点」の機会は減りそうだ。「鍵は柳田の後ろを打つことが多い中村晃(30)が調子を維持できるか。柳田が7月に日本タイの32得点を記録できたのは、中村の功績が大きい」(スポーツ紙デスク)との声も。 ただ、本人はタイトルにこだわりがないという。「昨年はケガで38試合の出場に終わったので、今年は全試合出場を目標にチームの勝利を最優先している。打撃が崩れるけん、ホームラン王を取りたいとは言わない。先日もホームランを打ったのに“バッティングなんて甘いところに来るかどうかの運だけです”と言ってました」(達川氏) 無欲の先に前人未到の記録があるか。※週刊ポスト2020年9月4日号
2020.08.27 07:00
週刊ポスト
今も昔も共通する「三冠王を狙える打者」の特長とは?
今も昔も共通する「三冠王を狙える打者」の特長とは?
 令和初の「三冠王」は誕生するか──好調なスタートを切ったのは巨人の岡本和真だ。10試合を終えた時点で打撃三部門のリーグトップとなった。その後、15試合終了時点(7月7日)で本塁打は2位、打点は7位となったが、打率1位はキープしている。さらにセではDeNAの宮崎敏郎、広島の鈴木誠也、パでは楽天の浅村栄斗といった過去の打撃タイトルホルダーたちも3部門すべてでベスト5に名を連ねている(7月7日時点)。 三冠王は昔より難しくなったとの見方もある。1988年に40歳で44本塁打、125打点で二冠王に輝くも打率.311で6位に沈んだ門田博光氏(72)はいう。「僕の時代、(一塁手以外の)内野手はしっかり守って打率2割5分が合格とされ、打撃タイトルは外野手やファーストの選手で争っていた。でも今は浅村や坂本のように守備が大変な内野手にも好打者が増えて、タイトル争いが激しくなっている」 2004年のダイエー・松中信彦を最後に三冠王は15年間出ていない(それ以前は中島治康、野村克也、王貞治、落合博満、ブーマー・ウェルズ、ランディ・バースの6人)。岡本にとって「巨人の4番」の大先輩にあたる松井秀喜は2002年のシーズンで、中日の福留孝介(現在は阪神)に打率が及ばず二冠に終わった。 加えて、3つのタイトルのうち1つでも飛び抜けた選手がいると、三冠王の難度が増す。「かつてのイチローのように、7年連続で首位打者になる選手がいると三冠王は厳しい。松中が三冠王を獲ったのも、イチローがメジャーに移籍してからです。現在のパではソフトバンクの柳田悠岐が三冠に最も近いと思うが、本塁打数で西武の山川穂高を超えるのは至難の業でしょう」(同前) 2012年には巨人の阿部慎之助が打率と打点のタイトルを獲得したが、本塁打でヤクルトのバレンティン(現在はソフトバンク)の後塵を拝した。バレンティンは2011から3年連続本塁打王に輝いている。 1953年に本塁打、打点の二冠王に輝くも、打率が4厘届かず。その後も3度、二冠に輝くが三冠には届かなかった中西太氏(87)は、三冠王を狙える良いバッターには今も昔も変わらぬ特長があると指摘する。「昔よりボールもバットも数段良くなった代わりに、凄い球を投げるピッチャーが増え、スコアラーによって選手は丸裸にされ、打者のライバルも多くなりました。そんな中で求められるのは体全体を使ったしなやかなスイングで、逆方向にホームランを打てる能力。その技術を身につければ自ずと打率も上がってくる。そういうバッターでなければ、三冠王は狙えない」 現役バッターで中西氏が、特に期待する選手はやはり岡本だという。「岡本は成長しました。遠くに飛ばすのは力ではなく、体全体でボールを捕らえて捻ることだと理解し、ライト方向に打球が飛ぶようになった。2年連続で30本塁打を打ち、2018年には100打点、3割をマークした。どこを攻められても対処できる、踏ん張れる穴のない打撃を心がければ、さらに良い結果を残せるはずです」 技術的には申し分ない。ただ門田氏はこう注文をつける。「岡本で気になるのは太り気味に見えるところ。開幕時は元気でも、体重がありすぎるとシーズン半ばに疲れが出てキレがなくなり、体の回転で打てなくなるからです。体調管理をしっかりして、最初に30本打った2年前の体に戻せば、三冠を十分に狙えます」 コロナにより異例のペナントとなった今季は、巨人の若き大砲・岡本が令和初の伝説を作るかもしれない。※週刊ポスト2020年7月24日号
2020.07.13 16:00
週刊ポスト
SB柳田悠岐 今季トリプルスリーと三冠王の同時受賞もあるか
SB柳田悠岐 今季トリプルスリーと三冠王の同時受賞もあるか
 オープン戦から、今年はボールが異常に飛ぶ、と選手の間でも話題になっていたほどホームランが次々と誕生している2020年のプロ野球。ボールをめぐる“謎”はさておき開幕から打高投低の試合が続いているのは紛れもない現実。 打撃成績を見ると、セは巨人の岡本和真ら4割打者が4人、3割打者が14人もいる(成績は6月29日時点、以下同)。パも4割打者が2人、3割打者が12人。内川聖一から正一塁手を奪ったソフトバンク(SB)・栗原陵矢ら新顔も含まれる。 セ3球団で4番を打った広澤克実氏は岡本の成長を絶賛する。「チャンスでの強さが際立っている。バッテリーは攻める穴が見当たらない」 前SBヘッドコーチの達川光男氏は「令和初の三冠王」も夢ではないと語る。「覚醒した岡本は一発だけを狙っていないからね。熱帯夜のマツダスタジアムや甲子園があるセは投手がしんどい。さらに、セは今年CSがないからどのチームも優勝狙い。上位チームの主砲との勝負は不可欠となり、上位進出が期待できる岡本や広島の鈴木(誠也)は勝負してもらえる場面が増え、三冠王の可能性は十分にある。打率は試合数が少ないので4割近辺でのタイトル争いになるじゃろう」 パでは2015年にNPB初のトリプルスリーと首位打者を同時達成したSBの柳田悠岐が期待大。「ヤクルトの山田哲人の三度のトリプルスリーは後ろを打っていたバレンティン(今年からSBに移籍)の影響も大きい。バレは外の球に強いから捕手は二塁への送球がやりづらく、柳田は盗塁しやすくなるし、バレが本来の調子を取り戻し始めたことで、柳田と勝負をしなければならなくなる。トリプルスリーと三冠王の同時受賞もあると思うよ」(達川氏)※週刊ポスト2020年7月10・17日号
2020.07.03 07:00
週刊ポスト
今年はガックリの成績だったヤクルト・坂口(時事通信フォト)
プロ野球「年俸のコスパ悪い打者」は誰? 2位はヤ・坂口智隆
 セでは巨人、パでは西武の優勝が決まった今年のペナントレース。「もしあの選手が年俸に見合った活躍をしていれば結果は違った」──と悔しがっているファンも多いはず。費用対効果が悪いのは、いったい誰なのか。 まずは打撃部門だ。ランキングは表にあるように「1塁打を放つのにいくらかかったか」で算出した。長距離打者、アベレージヒッターなどタイプの違う選手を平等に評価するためだ。 集計は『プロ野球なんでもランキング』(イースト・プレス刊)などの著書があるライター・広尾晃氏に依頼した(今季データは9月24日現在のもの)。2019年ワースト1位は、阪神退団が決まり、引退か現役続行かで揺れる鳥谷敬となった。「鳥谷は2015年に年俸4億円(推定。以下同)の5年契約を結んだが、年々成績は下降していった。1年目は202安打を放って1塁打あたり約198万円でしたが、今季は約1666.7万円となっています。代打の起用が中心となり、出場機会が大きく減った影響が大きい」(広尾氏) 複数年契約が難しいことがよくわかるデータだが、阪神の元球団社長・野崎勝義氏はこうフォローする。「鳥谷ほどの功労者を1年や2年の活躍ぶりで判断してはかわいそうな面があります。リーダーとしてチームを引っ張り、人気も守備の実力もある。球団への貢献度は今も大きい」 最下位のヤクルトからはワースト2位に坂口智隆が、同4位に川端慎吾が入った。昨年3割をマークした坂口はシーズン序盤の死球で左手親指を骨折。川端も昨年の頭部への死球以降、バットが湿っている。アクシデントによる主力2人の不振がチームの成績に影を落とした格好だ。 野手最高年俸の柳田悠岐(ソフトバンク)も、左膝裏肉離れでの離脱以降、調子が上がっていない。 優勝を果たしたチームにも「不良債権」は多い。巨人からは、今季加入の中島宏之と陽岱鋼がワースト10入り。中島はわずか15塁打。1塁打あたり1000万円の計算になる。 西武からはメヒア。今季は“代打の神様”と呼ばれ、終盤に何度も殊勲打を放ったものの、5億円の高額年俸には見合わなかった(925.9万円)。1塁打あたり約316万円だった一昨年、約633万円だった昨年と比較すると、年々コストパフォーマンス(コスパ)が悪化していることがよくわかる。 ちなみに今季の西武の“重量打線”を牽引した中村剛也と山川穂高を比べると、中村(年俸2億8000万円)が1塁打あたり約107万円なのに対し、山川(年俸1億1000万円)は38.9万円。コスパでは山川に軍配が上がった。「とはいえ中村は昨年の約144万円から大幅に改善している。後半戦息切れした山川の代わりに四番に座るなど、チームへの貢献は大きい」(前出・広尾氏) 12球団の打者でトップに輝いたのは、10代の年間本塁打記録を更新したヤクルト・村上宗隆。1塁打あたり3.3万円は、鳥谷と比べると500分の1のコストだ。 2位は阪神・近本光司。セ・リーグ新人最多安打記録の更新に、リーグ最多の36盗塁を加味すれば、新人王を争う村上とコスパ面でも甲乙つけがたい。※週刊ポスト2019年10月11日号
2019.10.02 11:00
週刊ポスト
米田哲也氏「稲尾和久は常時150kmですべて低めに投げた」
米田哲也氏「稲尾和久は常時150kmですべて低めに投げた」
 1936年に7球団で「日本職業野球連盟」としてスタートした日本のプロ野球。80年以上にわたる歴史のなかで一軍公式戦に出場した選手は約6700人にのぼる。では、そのなかで「史上最高の選手」は誰か? ファンではなく、大物OBたちに聞くと、世代やポジションなどによって選手の評価や見方が異なる。 そうしたなかで、レジェンドたちによる投票結果を集約した『プロ野球史上最高の選手は誰だ?』(宝島社新書)が話題になっている。105人のプロ野球OBがそれぞれ、投手、野手の上位5人を決めて投票し、その結果を集計してランキング化しているのだ。 投票したOBの年代は幅広く、上は1933年生まれの吉田義男氏(現役/1953~1969年、所属/阪神ほか。以下同)、1935年生まれの野村克也氏(1954~1980年、南海ほか)から、下は1979年生まれの岩村明憲氏(1997~2014年、ヤクルトほか)、1980年生まれの新垣渚氏(2003~2016年、福岡ほか)までカバーしている。 たとえば、捕手として唯一の三冠王に輝いた野村氏は、投手の1位に金田正一氏(1950~1969年、国鉄ほか)、2位に1958年の日本シリーズで神がかり的な活躍を見せ、“神様、仏様、稲尾様”と称された稲尾和久氏(1956~1969年、西鉄)、3位に江夏豊氏(1967~1984年、阪神ほか)を挙げた。野手では1位に山内一弘氏(1952~1970年、大毎ほか)、2位に榎本喜八氏(1955~1972年、大毎ほか)といった、捕手として攻略を試みた同年代の選手に票を投じ、3位には落合博満氏(1979~1998年、中日ほか)を選んでいる。選ぶ側も選ばれる側も、超豪華メンバーである。 史上2位の350勝を記録し、底なしのスタミナで「ガソリンタンク」の異名を取った米田哲也氏(1956~1977年、阪急ほか)は、投手の1位に稲尾氏を選んだ。米田氏はこう話す。「今のピッチャーは昔に比べて平均的に球が速いが、コントロールが悪すぎる。ど真ん中に投げたら、どんなスピードボールでも打たれますよ。僕がサイちゃん(稲尾氏)を1位にしたのは、やはりコントロールが理由です。150キロ台のボールを常時投げ、それがすべて低めにコントロールされていた。 野手では、苦手にしていた記憶のある打者を上位にあげてしまいますね。1位にした太さん(中西太氏=1952~1969年、西鉄)の打球は凄かった。ピッチャーライナーでマウンドからジャンプすれば届きそうな打球が、バックスクリーンに突き刺さるホームランになるんですから。平和台球場のレフト場外に運ばれたことも覚えています。インコースに入っていくスライダーには弱かったけど、それが少し甘くなればスタンドに持っていかれました」 では、現代の選手たちはその目にどう映るのか。米田氏が続ける。「そりゃ、今のバッターの筋力は凄いと思いますよ。練習量も多く、よく鍛えていると思いますが、それが本当に打撃にプラスになっているかは、よくわかりません。プロレスラーのような筋肉が野球で活かせるとは思えませんから。 ただ、柳田悠岐(2011年~、ソフトバンク)は見ていて対戦してみたいと感じる選手ですね。オリックスの吉田正尚(2016年~)もそう。昔も彼らのようにフルスイングする選手はいたけれど、頭がブレブレでバランスが悪かった。その点、柳田も吉田も頭がブレない。よほど体幹がしっかりしているのでしょう」 世代を超えて評価される選手もいるのだ。※週刊ポスト2019年8月16・23日号
2019.08.14 07:00
週刊ポスト
野球評論家・達川光男氏
達川光男氏「今年の交流戦はセが強い。優勝候補はDeNA」
 セ・リーグ球団のファンにとって憂鬱な季節がやってきた。6月4日から「セ・パ交流戦」が開幕。例年、パ・リーグ球団が大きく勝ち越す「パ高セ低」が恒例となってきた。ところが、である。「今年のパは弱いよ。セの球団は、交流戦で勢いをつけるじゃろうね」 そう力強く言い切るのは、野球評論家・達川光男氏だ。 現役時代は広島で捕手として黄金時代を支え、引退後は広島の監督、阪神、中日のコーチを歴任し、昨年はヘッドコーチとしてソフトバンクを日本一に導いた。そのキャリアを通じて両リーグの野球に精通する達川氏が、「今年はセが勝つ」とみる最大の理由が、「パの投手力の弱体化」だ。「これまで、交流戦でパの球団が強かったのは、投手力によるところが大きい。過去にはダルビッシュ有(32、現カブス)、田中将大(30、現ヤンキース)、大谷翔平(24、現エンゼルス)といった球界を代表する速球派エースがおったし、昨年も西武の菊池雄星(27、現マリナーズ)が交流戦3試合で防御率0.86(2勝0敗)と抜群の出来じゃった。 普段からええピッチャーと対戦しとると、対策を練るバッターも育つ。ソフトバンクのヘッドコーチになって、選手たちがマシンを150km以上に設定して練習しているのを見た時は驚きましたよ。だから、パの打者たちは交流戦には自信を持って臨めていた。ところが、今年のパは全体的に投手の層が薄くなり、不調の主力も多い。これはセのほうが有利じゃろうね」(以下、カギ括弧は達川氏)◆セの“初モノ”をパが打てない メジャー移籍した菊池の他にも、“セの天敵”だったエースたちが今年は揃って姿を消している。「楽天の則本昂大(28)は右ヒジの手術で離脱中だし、オリックスの西勇輝(28)はFAで阪神に移籍。昨年、来日1年目で13勝を挙げたロッテ・ボルシンガー(31)も調子が全く上がらない。セの球団が嫌がるのは、すでに5勝を挙げて防御率1点台(5月29日終了時点、以下同)のソフトバンク・千賀滉大(26)くらい」 打力の面でも昨年からの見劣りが否めないという。ソフトバンクは、強力打線から柳田悠岐(30)が負傷で戦線を離脱。「柳田がおらんと相手が受ける印象がかなり違ってくる。交流戦のソフトバンクは、試合前の打撃練習で、柳田をはじめ長距離砲の打力を見せつけ、相手をビビらせて勝っとったところがあった。それができんからね。フルスイングの力強さなら西武の山川穂高(27)や森友哉(23)も凄いけど、浅村栄斗(28)が楽天に移籍して打線としての破壊力は落ちた。日本ハムも清宮幸太郎(20)が一軍に上がってきたといっても、まだまだ迫力不足じゃね」 そうしたパの弱体化とともに、「セの投手陣の新戦力」の充実も、達川氏がセ有利とみる理由の一つだ。「スコアラーからの情報や映像と、実際に打席に立つのではだいぶ印象が違う。交流戦で初対戦の投手を打つのはもともと難しい上に、今年のセの若手には面白いのが多い。DeNAのドラ1・上茶谷大河(22)はスライダーがいいし、3年目ながら交流戦で登板がないカープの床田寛樹(24)も初見では打てんと思うよ。特に床田は左対左で内角に厳しく投げられる。パにいないタイプの左腕です」 その上で交流戦の優勝候補には、意外にもセで最下位争い中のDeNAを挙げる。理由は調子を上げてきた主砲・筒香嘉智(27)に加え、投手陣の陣容にあるという。「近年のパの打者は左投手に弱い。5勝をあげ、防御率1.63のエース・今永昇太(25)に加え、濱口遥大(24)や東克樹(23)、石田健大(26)と左を揃えとるDeNAが交流戦で一気に立ち直る可能性は十分あると思うよ」※週刊ポスト2019年6月14日号
2019.06.04 16:00
週刊ポスト
交流戦は今年も「パ高セ低」になるのか(時事通信フォト)
交流戦、セの投手は“ブンブン丸”揃いのパの打者に腕縮こまる
 いよいよ6月4日から、プロ野球前半戦の山場となる交流戦が始まる。2005年に始まった交流戦は、昨年までの14回のうち、パ・リーグが13回勝ち越した。交流戦の「パ高セ低」は風物詩となっている。「様々な要因が考えられますが、一つはセ、パの野球の質の違いにある。緻密な野球で、データを生かしチームワークで戦うのがセ・リーグ。野球自体は粗いが、“個”の力で戦うのがパ・リーグの特徴です。きめ細やかなセの野球は長丁場のシーズンでは強いが、データに乏しい交流戦や日本シリーズなどの短期決戦では、パの選手が大暴れする。 西武の山川穂高(27)や中村剛也(35)、ソフトバンクの柳田悠岐(30)、オリックスの吉田正尚(25)などブンブン振り回してくるパワーヒッターはなかなかセにはいないタイプ。“穴”も多いのですが、セの投手はどうしてもホームランを恐がって腕が縮こまってしまう」(パ球団スコアラー) 2015年にはリーグ首位で交流戦に突入したDeNAがパのチームに10連敗し交流戦最下位に。そのままシーズンでも最下位に沈んでしまった。 それだけに万全の状態で臨まなければならないが、広島と首位争いする巨人の状況は深刻だ。 5月21日、2年連続沢村賞を受賞したエース・菅野智之(29)が、腰の違和感のため登録抹消に。 交流戦前に再登録される見込みだが、今年の菅野は本調子には程遠い。5月15日の阪神戦では4本のアーチをかけられ、防御率も4点台中盤と“らしくない”投球が続いている。ホームラン病はリーグワーストと深刻で、そこに“ブンブン丸”揃いのパとの対戦はあまりに間が悪い。 巨人で投手コーチの経験もある野球評論家の関本四十四氏が話す。「さらなる問題はブルペン陣です。6回以降を任せられるリリーフが3~4枚欲しいが、現状だと中川(皓太、25)や澤村(拓一、31)に頼るしかないという何とも心許ない状況です。交流戦では先発が持ちこたえても終盤に大炎上という展開も考えられる」※週刊ポスト2019年6月7日号
2019.05.29 16:00
週刊ポスト
令和の大砲になれるか(時事通信フォト)
「不惑の大砲」門田博光氏 「令和の大砲」に柳田悠岐を指名
  全体重をボールにぶつける豪快なスイングで通算567本塁打を放ち、40歳を超えても活躍したことで「不惑の大砲」と呼ばれた門田博光氏(71)。31歳で右アキレス腱を断裂した後に、「走られへんのやったらホームランを打ったらええ」と長打にこだわるプレースタイルを貫いた。そんな門田氏が指名した“令和の大砲”へのメッセージ。 * * * ボクの持論は、背筋が柔らかくて、背中を大きく反り返らせるフォームの持ち主、つまり背筋を使って体重移動できるバッターが、真のホームランバッターだというものです。 その意味では、ソフトバンクの柳田悠岐(30)。すでにホームランバッターとして独り歩きできるだけの実力を持っていますが、インパクト後の大きなフォロースルーの手本として、元レッドソックスのオルティズ(通算541本塁打)とボクの連続写真をロッカーに貼ってくれているそうです。2013年にソフトバンクの始球式をした時に記者から聞いて、嬉しかったですね。 柳田は今年でプロ9年目、31歳になる。ボクがアキレス腱をケガした年齢です。プロの第一線で戦い続ければ、ケガはつきもの。体をしっかりケアして、40代、いや50代までずっと今と変わらない成績を残してもらいたいですね。彼はそれだけのポテンシャルを持った選手だと思います。 ボクは44歳で引退するまで、シーズン60本は打ってやろうと打席に入っていましたからね。前後に強打者がいなかったので、相手ピッチャーも4番に対する集中力が半端じゃなかった。それでも4番打者には、一発で仕留めなければいけない場面で確実に仕留める集中力が必要です。ソフトバンクの強力打線だからといって、柳田は“自分が打たなくても後ろが返してくれる”なんて思ってはいけない。 巨人の若き4番・岡本和真(22)も、背筋を使った素晴らしいフォームですが、ブレークして2年目の今年は油断が出ているようで心配です。昨年は素晴らしい成績を残しましたが、今年から3番に丸佳浩(30)、2番に坂本勇人(30)が入って甘い球を見逃すシーンが見られます。 柳田や岡本と違って、ボクの理論からすると不思議で仕方ないのは、西武の山川穂高(27)。あんなにバットを動かしながら、どんなピッチャーに対しても上手く体重移動して自分のポイントで打てている。王貞治さんの一本足打法以上に難しい打ち方だと思いますが、それでいて数字も残している。不思議な男です。 柳田と山川のどちらが勝つか、見ものです。※週刊ポスト2019年5月3・10日号
2019.05.02 07:00
週刊ポスト
元祖トリプルスリー中西太「山田は走れ、柳田は三冠王狙え」
元祖トリプルスリー中西太「山田は走れ、柳田は三冠王狙え」
「怪童」の異名で1950年代の西鉄ライオンズの主軸として活躍した中西太氏(86)。「内野手の頭上をかすめたライナーがスタンドまで届いた」といった強打の伝説を持つ中西氏は、史上最年少の20歳でのトリプルスリー達成者でもある。その目に、ヤクルト・山田哲人(26)とソフトバンク・柳田悠岐(30)の“2人のトリプルスリー”はどう映っているのか。 * * * 2015年に山田君と柳田君が同時にトリプルスリーを達成した時は、球場まで出かけて直接「おめでとう」と声をかけました。我々の時代と今では、球場や用具、スコアラーのデータなど環境はまったく違うので比較すべきものではないが、難しい記録であることは変わりません。 ボクがトリプルスリーを達成したのは入団2年目の1953年、20歳のシーズンでした。ただ翌年以降は、三原脩監督から「中心選手になったんだから、スライディングでケガをされては困る。盗塁はやめておけ」と言われましてね。それからは盗塁ではなく、打点を狙うようになりました。 でも、本当は足に自信があったんですよ。プロ初本塁打はランニングホームランでしたし、直感でセカンド、サード、ホームとどんどん先の塁を狙っていましたからね。 柳田君は故障が気になる。体も大きく、盗塁のクロスプレーが大ケガにつながりかねません。“三冠王狙い”に絞ってもいいと思います。 一方、山田君は足が速いうえにスライディングもうまい。ケガにも強いタイプでしょう。彼に、ボクと同じように「走るな」とは言えません。4度目、5度目のトリプルスリーに挑戦してほしいです。※週刊ポスト2019年5月3・10日号
2019.04.28 16:00
週刊ポスト
ZOZOマリンに新設された観客席「ホームランラグーン」(時事通信フォト)
プロ野球で本塁打激増、「今年のボール、飛び過ぎ」なのか?
 ホームランは野球の醍醐味だが、多すぎると話は変わってくる。今季、セ・パ両リーグでホームランが急増する“異常事態”が起きている。ついには「飛ぶボール疑惑」まで飛び出した。異変は、開幕から3カード(全54試合)が終了した時点で如実に現われた。 昨季の開幕3カード(昨季は52試合)のホームラン数と比較すると、両リーグ合わせて80本から119本に増えた。 両リーグの本塁打ランクトップは、開幕からの4試合連続弾を含む6本のロッテ・レアード(31)と、広島・鈴木誠也(24)の5本。シーズン143試合に換算すると、それぞれ96本、80本というメジャーリーグも仰天の“世界記録ペース”だ。 4月6日には、セ・パ全6試合で、合計22本のホームランが飛び出し、翌7日には、ソフトバンクがチーム7本塁打を放った。 本塁打の急増は、レアードや鈴木、西武・山川穂高(27)の4本、DeNA・筒香嘉智(27)の3本といったホームランバッターに留まらず、プロの世界では“中距離打者”と言われる選手たちにも起きている。 プロ通算4年間で一度も2桁本塁打をマークしていないロッテ・中村奨吾(26)が早くも5本、“守備職人”と呼ばれるソフトバンク・今宮健太(27)、通算6年で計9本塁打のロッテ・加藤翔平(28)も4本を放つなど、小兵選手が昨シーズンまでとは別人のような長打力を見せているのだ。プロ野球のデータに詳しいジャーナリスト・広尾晃氏が語る。「12球団の本拠地・準本拠地などの主要球場での本塁打数を分析すると、昨シーズンは1試合あたり1.95本のホームランが出ていたのに対し、今季の3カード目までの1試合あたりのホームラン数は2.2本と、13%増加しています。各チーム9試合終了時点とはいえ“ホームランバブル”だと思います」◆「こんな打球がスタンドに!?」 とくに激増しているロッテでは、今季から本拠地・ZOZOマリンスタジアムに新設された「ホームランラグーン」が一因となっている。観客席をグラウンド側に最大4メートル拡張し、外野フィールドが狭くなった。 その結果、開幕3連戦では、チームの6本塁打のうち、半数の3本が新設スタンドに吸い込まれた。昨年までなら外野フライでアウトになっていてもおかしくなかった打球だ。 だが、今季の異常事態は、球場の変化だけでは説明できない。変化を最も敏感に感じ取っているのは、他ならぬ選手たちだ。ある現役外野手が語る。「今季は明らかに飛び方が違うと思う場面がたくさんあります。“詰まったな”とか“(定位置より)前に落ちるな”と思った打球でも、予想より伸びて、下がって捕球する時がある。とくに逆方向(右打者の右中間、左打者の左中間)の打球は伸びる印象ですね。正直、“こんな打球がスタンドに!?”と思うこともあります」 それは打者の感覚にも一致している。7日には、ソフトバンクの主砲・柳田悠岐(30)の第1打席で、直球を振り抜いた打球がフラフラとレフトに上がり、柳田は打ち損じとばかりに「あ~!」と声を上げた。首を傾げながら一塁へ走り出したが、打球はレフトの頭上を越え、そのままスタンドに弾んだのだ。柳田は驚いた表情を浮かべ、球場もどよめきに包まれた。在京球団のコーチはこう打ち明ける。「昨年までと比べても、打球音が“カーン”と乾いた音になった。甲高い音になったと表現する投手もいます。野手に聞いても、打球の球足が速くなったと言っています」 今季、多くの選手や首脳陣が「打球が飛ぶ」と口を揃えるのは、いったい何故なのか。◆反発係数が高い? 現役時代にヤクルト、巨人、阪神で長距離砲として活躍した野球評論家・広澤克実氏は、「たしかに、ボールが飛ぶようになっている印象を受けます」と語る。「体重が重い選手の方がパワーがあることは、理論上間違いありません。しかし、今季は体重が70kg台の選手も本塁打を量産している(前出の中村は79kg、今宮は76kg)。もちろん選手は日々練習で技術を磨いていますが、それだけでは説明がつかない。逆方向へのホームランが多いことも含めて、球場が狭くなった効果よりも、ボールの反発係数が影響しているのではないかと疑っています」 NPBは2011年から統一球を導入し、反発係数の規定値を定めた。「当初は反発係数の上限値と下限値を定めていましたが、基準を満たしたボールでも、上限と下限では飛距離が大きく変わってしまう。ボールの問題はそれほど繊細なのです。そのため、2015年には、反発係数の目標値を0.4134とピンポイントに定めている」(スポーツ紙デスク) あるスポーツメーカーの営業マンはこう証言した。「プロ野球選手が使用している木製バットは、ボールよりも細かい規定が定められているため、改良の余地がほとんどなく、ホームランが増えた要因をバットに求めるのは現実的ではない。そうなると、“疑いの目”はどうしてもボールに向いてしまう」 製造元のミズノに問い合わせると、「弊社はボールを供給している立場であり、お答えする立場にありません」(広報担当者)とするのみで、複数の球団スタッフに取材しても、「ボールの仕様、製作、保管方法など、昨年のボールと同じ品質のはずですが……」という答えしか返ってこない。 その一方で、バットでもボールでもなく、打ち方が「飛ぶボール」を産んでいるとの指摘もある。前出・広尾氏が語る。「従来の日本でよく指導されたように“上から叩く”のではなく、あえて“フライを狙う”ことで、ホームランが出やすい角度で打球を打ち出す『フライボール革命』という打撃理論です。2017年にアストロズが導入し、ワールドシリーズ制覇に繋がったと言われ、近年のMLBでは主流の考え方になっています。 この理論では、手元までボールを引きつけて逆方向に打つよう指導される。フライボール革命が日本に広まったことも、ホームラン量産につながっているのではないか。そして、実際にホームランが出るから、さらにホームラン狙いのスイングに拍車がかかり、ボールがスタンドまでかっ飛んでいく」 この春の珍事の理由は果たして「ラッキーゾーン化」なのか、「飛ぶボール」なのか、「フライボール革命」なのか……。シーズン最後の結果が見ものである。※週刊ポスト2019年4月26日号
2019.04.15 11:00
週刊ポスト
小田幸平氏が日本シリーズ予想「強肩捕手がカープ封じ込め」
小田幸平氏が日本シリーズ予想「強肩捕手がカープ封じ込め」
 リーグ3連覇を果たした広島と、昨年日本一のソフトバンクの対戦となった2018年の日本シリーズ。その見どころを巨人や中日で捕手として活躍した小田幸平氏(41)に独自の視点で解説してもらった。その結果、小田氏は「4勝1敗」でソフトバンクが日本一になると予想した(*編注:予想は日本シリーズ開幕前に行われた)。 * * * 自分はセ・リーグのチームのOBですが、戦力を比較すると、やはり投打ともにホークスの方が上だと言わざるを得ません。 野手陣はカープが上と見ていましたが、10月に評価が覆りました。内川聖一の復帰が大きい。グラシアルも予想以上に活躍しており、軸となっている柳田悠岐の存在も心強い。そして個人的にはCSで先発を外された松田宣浩の発奮に期待しています。 カープが弱いわけではありません。一番の武器は機動力。ただ両軍本拠地は、足を生かせるほどの広さがない。札幌ドームのような広い球場で全試合やるなら話は変わってくるんですが。 では盗塁は、と言えば、ホークスにはキャッチャーの甲斐拓也がいます。カープ側からすれば彼の強肩は相当厄介でしょう。盗塁の刺殺はビッグプレーなんです。 たとえばノーアウト一塁で走ってアウトになったとする。その時攻撃側は、「元々、出塁できなかったのと同じ」とは考えられない。どうしてもムードは悪くなる。逆に言えば、守備側は試合の流れを引き寄せるきっかけになる。キャッチャー出身の自分から見ても、甲斐の肩にはそんな魅力があります。 この記事が出るのは第2戦が終わった後なんですか? じゃあ4勝1敗の予想は既に外れている可能性もあるわけですね……でも予想はホークスの4-1。今の両チームにはそれくらい差があると思います。取材・文■田中周治※週刊ポスト2018年11月9日号
2018.10.30 16:00
週刊ポスト
筒香、柳田、バレンティンをカモにする安月給の投手
筒香、柳田、バレンティンをカモにする安月給の投手
 球界では、常に「億」を稼ぐスター選手が活躍するとは限らない。エースが平凡なバッターに打たれたりすることがよくある。 逆に、大打者が苦手とするピッチャーを見ていくのも面白い。侍ジャパンの4番、DeNA・筒香嘉智(26)は阪神の中継ぎ高橋聡文(35)に対して、通算の対戦成績が23打数2安打で打率は0割台。三振は7つも喫している(7月4日終了時点、以下同)。「対筒香のワンポイントで登場してきっちり打ち取る場面もある。筒香はインハイの速球で勝負してくる投手が苦手で、高橋も速球で押すタイプではありますが、あんなにも打てないものですかね……」(阪神番記者) トリプルスリー男、ソフトバンク・柳田悠岐(29)は、日本ハムの中継ぎ・鍵谷陽平(27)に対して昨年まで通算成績で9打数ノーヒットに抑えられていた。「年俸5000万円の鍵谷が5億5000万円プレーヤーの柳田を完璧に抑えているんだから、痛快でしたよ。今季に入ってからは柳田も打っていますが、まだ苦手意識はあるはず。終盤戦でも大事な場面でぶつけていくのではないか」(日本ハム球団関係者) バッターの側も苦手意識を持つと、負の連鎖に陥っていくようだ。V9時代の巨人キラー、元大洋の平松政次氏はこんなエピソードを明かしてくれた。「僕は長嶋(茂雄)さんとの通算対戦成績は打率.193、8本塁打でした。長嶋さんは僕に抑えられると、球場から帰ったあと、親交の深い実況アナウンサーの深沢弘さん(当時、ニッポン放送)を自宅に呼び、“平松のフォームを真似てシャドーピッチングしろ!”と言って、朝まで素振りをしたそうです。ただ、その代わりなのか僕は王(貞治)さんにはよく打たれた(通算で王氏が打率.370、25本塁打)。やはり相性というのはあるんですよね」 現役選手で有名なのは、ヤクルトの主砲・バレンティン(34)を「カモ」にするDeNAの中継ぎ右腕・加賀繁(33)。2012年の初対決から20打数連続でノーヒットに抑えられていた。「加賀は2009年のドラ2で住金鹿島から入団。右打者限定の中継ぎ投手として期待されていたが、球速は130キロ台後半で、防御率は4点台後半以上の年ばかり。ただ、沈み込むようなサイドスローが珍しく見えるようで“外国人キラー”としては機能している。とりわけバレンティンには打ちづらかったようだ。2017年5月に加賀からの初安打を打った時は、記念にそのボールを欲しがったほどでした」(スポーツ紙デスク) 打者側の視点から、こうした相性が生まれる理由の一つに“タイミングの取り方”があるとみるのは、ヤクルトなどで4番を打ってきた広澤克実氏だ。「打者は“イチ・ニ”の2拍子で振る選手もいれば、3拍子でリズムを取る人もいる。超一流になると相手によってリズムを変えることもできますが、多くの打者は自分のリズムでバットを振る。だから、そのリズムが特定の投手のフォームに対して合わなくなると、とことん打てなくなってしまう。 よくいう“打者がタイミングの取りづらいフォーム”というのは、実は打者によって少しずつ違っていて、それが特定の選手同士の相性を生んでいくひとつの理由でしょう」※週刊ポスト2018年7月20・27日号
2018.07.10 16:00
週刊ポスト
中日 松坂大輔の好影響でアーモンドを食べる選手が増えた
中日 松坂大輔の好影響でアーモンドを食べる選手が増えた
 3年12億円の厚遇ながら、ソフトバンク時代の登板はわずか1試合。6月8日、その古巣相手に中日の松坂大輔(37)は粘りの投球で3勝目を挙げた(成績は6月13日現在、以下同)。 記録上は5回1失点にすぎないが、気迫が違った。球界最強打者の四番・柳田悠岐から奪った2三振に球場はどよめいた。「140キロに届くかどうかだが、打者の手元で変化するカットボールとツーシームが絶妙。注目は1割1分6厘という『得点圏被打率』(※打者を得点圏(二塁・三塁)に置いた状況での被打率)の低さです」(セ球団スコアラー) 松坂の存在は、チームの発憤材料にもなっている。「ある若手は“松坂さんが投げていると緊張感が違う”と話していた。子供の頃の憧れですからね。この頃、練習や試合の間にアーモンドを食べる選手が多いのは松坂の影響。カリウムが豊富で足がつりにくくなるそうです。“やんちゃなガキ大将”が、いつの間にか“背中で引っ張る選手”になった」(中日番の記者)※週刊ポスト2018年6月29日号
2018.06.19 07:00
週刊ポスト
センバツ優勝・大阪桐蔭 史上最強“控え選手”達の凄い実力
センバツ優勝・大阪桐蔭 史上最強“控え選手”達の凄い実力
 今年も数々の名勝負が生まれたセンバツ高校野球。大阪桐蔭の春連覇の“原動力”となったのは、レギュラーとして奮闘する選手だけではない。むしろ、グラウンドに立つ機会が“少なかった”、あるいは“なかった”選手たちの存在が、絶対的な強さを支えていた。36年前の大阪・PL学園以来となるセンバツ連覇の快挙を成し遂げた大阪桐蔭について、『永遠のPL学園 六〇年目のゲームセット』の著者であるノンフィクションライター・柳川悠二氏がレポートする(文中敬称略)。 * * * 怪物たちの噂を耳にしたのは2015年の秋だった。既に146キロを投げたという飛騨高山のスーパー中学生(根尾昂)に、異次元の快足外野手で、ソフトバンク・柳田悠岐のようにプロでもトリプルスリーが狙えるというポテンシャルの塊(藤原恭大)。ボーイズジャパンの4番(石川瑞貴)や佐賀の豪腕(柿木蓮)、近畿圏の強豪校からスカウトが相次ぐ滋賀の190センチ左腕(横川凱)──。 全国の中学硬式野球で名を馳せた彼らには共通点があった。いずれも進学予定先が、高校野球の名門・大阪桐蔭だったのだ。 3年後の2018年には、大阪桐蔭史上最強世代が90回目のセンバツと、100回目の夏の選手権大会を席巻する──。あまりの豪華な顔ぶれに、どこよりも早く、本誌・週刊ポスト(2016年3月4日号)でそう書いた。 フライング気味だったこの予見は、現実になりつつある。彼らの多くは昨年のチームから主力を張り、36年前の大阪・PL学園以来、史上3校目のセンバツ連覇を遂げた。監督の西谷浩一は言う。「最強世代……春を連覇できたことで、近づいてきているかもしれませんし、そうなりたいと思っています。欲深いですが、これから(史上初となる2度目の)春夏連覇を目指すためには、まだまだ底上げが必要です」 春連覇を牽引したのは、ドラフト上位指名が確実視される根尾と藤原だった。 投手と野手の二刀流で注目を集める根尾は準決勝では劣勢の中、好リリーフを見せ、先発した決勝・智弁和歌山戦では2年連続の胴上げ投手に。一方、右膝のケガを負っていた藤原は、50メートルを5秒7で走る“足”よりも4番として“バット”でチームに貢献。準決勝では延長12回にサヨナラ打を放ち、決勝でも勝利を呼び込むタイムリーを放った。 異能のふたりにどうしても目を奪われてしまうが、大阪桐蔭の快進撃を支えたのは、中学時代の華麗なる肩書きを持つ“最強世代”による熾烈なメンバー争いである。主将の中川卓也は、優勝後のお立ち台でこう話した。「(新3年生と新2年生をあわせた)41人の部員全員の勝利です」◆記録員も“元ジャパン” 記録員の小谷優宇は中学時代から140キロ超を記録した右腕で、全国の有望選手を集めて米国遠征を行う野茂ジャパンに選出された経験を持つ。しかし、入学後は根尾や柿木、横川の陰に隠れ、公式戦での活躍の場はなかった。記録員として声がかかったのは昨秋だ。「メンバーから外された悔しさがあったので、最初は本気で記録員をやれなかったんです。でも、近畿大会、神宮大会を経験し、裏方としてデータを集めたり、試合中も相手を研究したりすることで、勝利に貢献できたという気持ちもある。今は割り切って、記録員をやらせてもらっています」 もちろん、メンバー入りを諦めたわけではない。「自分は安定感がウリですが、一つ上のチームでメンバーに入っていた根尾たちに比べ経験値で圧倒的に劣る。その差は簡単には埋まらない。そこがもどかしい」 記録員として帯同する中で見えてくるものもある。プレー以外の野球の目を培うことも、甲子園通算49勝の西谷の指導の一環だろう。「根尾と同じ部屋だった時、とにかく部屋にいなくて。夜遅くまで雨天練習場で打ち込んで、部屋に帰ってからも、体幹トレーニングやストレッチに時間を費やしている。チームで一番練習する選手で、こういう人間がプロに行くのかな、と」◆「お前には負けへん」 センバツでベンチ入りできるのは18人。その枠から漏れれば、代表歴を持つ選手もアルプス席で仲間の戦いを見守ることとなる。今回のメンバーには横川と森本昂佑というふたりのサウスポーが入っていたが、その座を争ったもう一人の左腕が道端晃大だった。「対外試合の禁止期間(12月1日~3月7日)は、紅白戦でしっかりアピールできていました。だけど2月上旬に左足の太ももの裏をケガしてしまって、そこから調子を崩した。先にふたりが呼ばれて、あとひとり(左腕が)入るか入らないかのところで自分は外れてしまった。現時点では横川の方が自分より力が上だとは思っています……」 センバツ期間中のバッティング練習では対戦校の左投手の特徴を真似、攻略の糸口を仲間に与えた。準々決勝の花巻東(岩手)戦で大阪桐蔭は初回から相手のエース左腕を攻略し、19対0と圧勝したが、その背景には道端の献身があった。「みんなが『道端のおかげや』と言ってくれて嬉しかった。夏は絶対にメンバーに入ろうと思っています」【プロフィール】柳川悠二(ノンフィクションライター)/1976年、宮崎県生まれ。法政大学在学中からスポーツ取材を開始。2000年シドニー五輪から2016年リオ五輪まで夏季五輪5大会を現地取材。2005年から高校野球の取材を始めて以降、春夏の甲子園取材をライフワークとする。近著に『永遠のPL学園 六〇年目のゲームセット』(第23回小学館ノンフィクション大賞受賞)。※週刊ポスト2018年4月20日号
2018.04.10 07:00
週刊ポスト
“5大野球名鑑”の表紙すべてに登場する4人の選手の名前
“5大野球名鑑”の表紙すべてに登場する4人の選手の名前
 オープン戦開幕が近づく2月中旬、全国の書店に各社が発行するプロ野球選手名鑑が並び始め、大型書店では専用コーナーが特設される。都内の大手書店では、A4判3種、B5判6種、ポケット版8種、雑誌タイプ1種の計18種類が入り口近くに平積みで陳列されていた。 このうちベースボール・マガジン社、日刊スポーツ、スポーツニッポン、宝島社、廣済堂出版が刊行するものが球界関係者の間では『5大名鑑』と呼ばれる。「1年に一度しか発売されない選手名鑑は、発売日が遅れると大きく売り逃してしまう。だから他社の発売日情報には常に注意しないといけないし、いかに内容で差別化を図るかが重要になってくる」(名鑑を発行する出版社関係者) だから各名鑑に“個性”が光る。日刊スポーツ『プロ野球選手カラー名鑑2018』は、野球のデータを統計学的に分析した指標であるセイバーメトリクス(投手はアウトの内訳、球種、左右打者に対する被打率、奪三振率など、打者はアウトカウント別、左右&得点圏打率など)をグラフ化している。 スポニチの『プロ野球選手名鑑』は、各球団のスカウトやスコアラーから広報担当者まで“裏方情報”が充実しており、「プロ野球担当記者の必需品」(スポーツ紙記者)だという。 3種類の名鑑を発行するべーマガは毎年、キャンプ序盤に発売される『週刊ベースボール』本誌を、「12球団選手写真名鑑号」としている。「これが日本一早く刊行される選手名鑑で、キャンプ地の宮崎・沖縄の空港や駅の売店などで重点的に売られます。ただ、選手のユニフォーム姿が解禁されるのは毎年2月のキャンプ初日なので、その写真が間に合わない。だから前のシーズンの写真を使い、新人や移籍組は入団会見の写真が掲載される。その他の名鑑は、各球団のオフィシャルカメラマンが撮った提供写真を使う。1人あたり2000円など有償での提供が多いが、無償の球団もある」(前出・出版社関係者) 名鑑の表紙には、各球団から一人ずつ、「チームの顔」となる選手が選ばれて掲載される。その“選出基準”も名鑑ごとに少しずつ異なるようだ。 各社の名鑑の表紙を見ると、昨季リーグMVPの広島・丸佳浩(28)、最多勝の巨人・菅野智之(28)、西武・菊池雄星(26)、昨年WBCで4番を打ったDeNA・筒香嘉智(26)らは共通して採用されている。特筆すべきは、日本ハムの新人・清宮幸太郎(18)。「基本的に表紙の選手は前年のタイトルや成績などで決めるので、新人が起用された例は記憶にない。一方で、名鑑によって表紙の顔が異なるのは、ソフトバンクのように柳田悠岐(29)、千賀滉大(25)、サファテ(36)などスターの多い球団か、逆にチーム事情が苦しい球団。今年は、ロッテで井口資仁監督、中日で松坂大輔(37)を“大抜擢”した名鑑もありました(笑い)」(同前)※週刊ポスト2018年3月9日号
2018.02.28 07:00
週刊ポスト

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