これに先駆けて「フォーエバー21」の日本1号店だった原宿店も2017年10月15日に閉店しています。原宿店だけではなく、その他の店舗もいくつも閉鎖しており、全店舗数は20店舗を割り込んでいます。
フォーエバー21は不良在庫を多数抱えているのか、頻繁に「2点目無料」というセールを開催しています。2点目半額という売り方は国内ブランドでも時折見かけますが、2点目無料というのは聞いたことがありません。「タダでもいいからもう1枚持って帰ってくれ。産業廃棄物として廃棄料を支払うより安上がりだ」という心理が透けて見えるようです。
実際、大阪・ミナミの道頓堀店でも2点目無料という売り方が今年されていました。1600円に値下がりしたサンダルを買って、2足目無料になって1足当たり実質800円で買ってきた知り合いの女性がいました。それほど在庫がダブついているということなのでしょう。
また、2017年1月には、「オールドネイビー」が全店閉店し、日本から撤退してしまいました。オールドネイビーは「GAP」傘下のブランドで、GAPよりも安い価格帯の商品を販売しており、米国本国では停滞するGAPの業績をしり目に、業績を伸ばしている好調ブランドですが、日本では不振続き。2012年7月に1号店が上陸してからわずか4年半で全店撤退となってしまいました。
これらのブランドは、当初の熱狂が嘘のように苦戦に転じてしまいましたが、それにはいくつかの理由が考えられます。大きくは次の3つだと考えられます。
(1)価格が安いだけで品質が劣っていた
(2)日本独自のトレンドに対応できなかった
(3)日本独自の低価格トレンドブランドが成長した
まず、(1)から見てみましょう。ここでいう品質とは使用素材や縫製仕様のことです。低価格ブランドの中で品質が群を抜いているのは「ユニクロ」です。H&M、フォーエバー21、オールドネイビーはもちろん、ユニクロの品質の足元にも及びませんが、それどころか「ジーユー」にも及びません。
米国だと安い服はこの程度で良いのでしょうが、日本にはなまじユニクロがあったためにどうしても同等の価格帯のブランドは、ユニクロの品質と比較されてしまいます。
品質の順位でいえば、「ユニクロ>ジーユー>H&M>オールドネイビー>フォーエバー21」という順になります。ユニクロは別格として置いておいても、同等の価格帯なら間違いなくジーユーがもっともお買い得ですから多くの消費者はジーユーに流れてしまった可能性があります。