ライフ

パーキンソン病の認知症リスク 嗅覚検査で予測する研究進む

パーキンソン病について医師が解説する

 パーキンソン病は運動を円滑に行なうために重要な役割を担う中脳の黒質にある、神経細胞に異常が生じることで発症する。初期の症状は手足が震える、足が上がらず、小刻み歩行になるなど多様だ。

 国内の患者は約1000人に1人とみられるが、60歳以上は約100人に1人とされ、今後は高齢化の進行とともに急増すると推定されている。

 国立病院機構仙台西多賀病院(宮城県)脳神経内科の馬場徹医長に話を聞いた。

「パーキンソン病は発症してからしばらくの間は、認知症を発症しないとされてきました。しかし、高齢になって発症したパーキンソン病患者の中には、数年で認知症を発症する人がいることがわかってきました。初期症状はレビー小体型認知症と似ています」

 認知症は、その原因によりアルツハイマー型が50%、脳血管性20%、レビー小体型が約20%、その他が10%(そのうち5%がパーキンソン病の認知症)とされる。レビー小体型認知症は、脳の大脳皮質や呼吸などにかかわる脳幹など様々な場所にレビー小体が蓄積する病気だ。

 レビー小体とは、神経細胞が働くために必要なタンパクであるα-シヌクレインなどが凝縮したものだ。通常の認知症は物忘れなど記憶にかかわる症状が先に起こるが、レビー小体型認知症では生々しい幻視や激しい寝言、注意力の変動などの症状が起こる。

 パーキンソン病で死亡した患者の脳を調べると、運動を担う中脳の黒質と嗅覚神経の場所にレビー小体が多く蓄積している。このレビー小体が中脳の黒質や嗅覚の神経細胞に蓄積し、神経細胞が障害されると運動機能や嗅覚に異常が生じると考えられている。

関連キーワード

トピックス

憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された愛子さま(2025年5月8日、撮影/JMPA)
《初の万博ご視察》愛子さま、親しみやすさとフォーマルをミックスしたホワイトコーデ
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン