現在、早い段階から認知症発症リスクが高いパーキンソン病を診断する指標として嗅覚検査が使用できるかの研究が始まっている。外来を受診したパーキンソン病患者に運動機能と認知機能検査とともに嗅覚検査を実施、それを点数化し、経年の変化を確認している。加えて認知症と嗅覚障害の関係を診るため脳糖代謝に着目、PETによる画像診断も行なっている。

「パーキンソン病認知症の初期症状の一つとして現われるのが目の錯覚です。ハンガーにかかる洋服が人間に見えたり、単なる黒い点が虫に見えたりします。また、突然昼間にぼーっとして頻繁に昼寝をしたりする注意力の変動も初期症状の一つです。家族の方はそれらの症状を放置せず、すぐに主治医に相談することが認知症発症抑制・早期治療には必要です」(馬場医長)

 さらに重症嗅覚障害のあるパーキンソン病患者を対象に、認知症薬ドネペジル投与群とプラセボ群(偽薬)の2群に対する医師主導多施設共同の臨床試験が始まっている。これは4年間追跡して認知症移行率を診るもので、近く解析結果が報告される見込みだ。

●取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2018年8月3日号

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