そうして作成された未来の天気予報によると、“南の島”である那覇は184日、つまり1年の半分が30度以上の真夏日ではあるが、最高気温は他の地域より低いということになるのだ。気象予報士でウェザーマップ会長の森田正光氏はこう解説する。
「非常に簡単な理由で、沖縄は海に囲まれているからです。水は空気よりも温度が上がりにくいので、将来、温暖化が進んだとしても海水温が急激に上がることは考えにくい。だから、沖縄や小笠原は、本州ほど温度が上がらないのです。実は現在でも、沖縄の天気予報を見ると、夏の最高気温は東京よりも低いことが多いのです」
それにしても、東京の44度に対して、那覇は5度も低く、41度の札幌よりも“涼しい”ということになる。
「東京や大阪などの都心部では、ヒートアイランドの影響で気温が上昇しています。30~40年ほど前はほとんどエアコンが使われていなかったが、今は99%以上普及している。都心部はエアコンの室外機から放出される熱風や車の排気ガスが蔓延し、道路のアスファルトも熱を吸収し照り返しもある。100年前に比べて、地球の温度は約1度上がっていますが、東京は3度上がっています」(森田氏)
これではいずれ、沖縄が“避暑地”になりそうである。
※週刊ポスト2018年8月10日号