一番首を傾げたくなるのは「リクエスト制」だね。そもそもメジャーでは、「チャレンジ」として導入されていて、スタジオにいる分析官が一括して判定を下す仕組み。対して日本の「リクエスト」は、判定した審判本人が自分で映像を確認して判定を覆す。
これは「私の眼は節穴です」と認めているようなもので、審判にとっては屈辱的なことのはず。昔は“俺がルールブックだ”と、三原(脩)監督の抗議を退けた審判・二出川延明さんのように、「審判の判定は絶対」が野球の基本だったんだけどな。
驚いたのは、今年の前半戦で判定が覆ったケースは全体の35%にものぼるということ。私には、際どい判定の時、審判に「どうせリクエストになるだろう」という気持ちが働いて、判定に真剣さが足りないのではないか、と思えてならない。
選手同様、審判にとっても「プレーは1回きり」の真剣勝負。この「リクエスト制」が今後も続くなら、得点や勝敗に直接かかわるような誤審をした審判にはレッドカードを出したらどうか。ミスジャッジしても点数に絡まなければイエローカードで厳重注意。先日(6月22日)のオリックス対ソフトバンク戦のようなとんでもないケース(※)は無期限出場停止にする。そうすれば、真剣に判定するんじゃないか。
【※一度はファウルと判定された打球が「リクエスト」の結果本塁打となったが、試合後の再検証でファウルだったと審判団が“誤審”を認めた】
※週刊ポスト2018年8月17・24日号