このなかで、習氏ら知識青年は「農作業、土木作業のほか、トイレ修理やメタンガス利用の発電設備の開発などに貢献し、人々に愛され、後々にも続く村人たちとの関係にはこまやかな情もにじむ」などと表現されている。雷氏はこの本の中で、「習近平は太平天国の乱を鎮圧した曽国藩の言葉『耐煩(煩わしさに耐える)』に度々言及し、『大事を成し遂げるには自己コントロールが必要』と語っていた」と証言している。
ただ、雷氏は最近、香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」の単独インタビューで、「梁家河では40人のガイドが毎日1万2000人もくる観光客を相手に、習近平を神格化しているようだ。これらのガイドや幹部は実情をほとんど知らずに、あまりに習近平を賛美し過ぎている。ヒートアップし過ぎだ。もっとクールダウンしなければならない」と指摘。
雷氏はさらに「私と習近平が過ごしたヤオトンは本当に粗末なもので、食べ物もひどいものだった。もっと真実に基づいて、当時の我々の生活を語るべきだ」と辛口の批評を展開している。
雷氏は最後に「習近平はタフで、重労働に積極的に参加した。それに比べて、私は労働がいやで消極的だった。私が梁家河で過ごした6年間はただただ退屈なだけだった」と本音を吐露している。