今時のドラマファンとは、毎週継続してテレビを見てくれる、いわば質の高い視聴者。そうした視聴者の存在とは、テレビをめぐる現状を考えると、非常に貴重な資源であり潜在力ではありませんか? そういう人たちを大切にするのは当然のことではないのでしょうか?
たしかにアジア大会の平均視聴率は連日二桁台に届き、それなりに高いもようですが、目前の数字だけ見ていればよいのでしょうか? もっと視聴「質」に目を配ることも、テレビ界において大切なテーマではないのでしょうか?
スポーツ中継には凄い吸引力があり魅力も溢れビジネスの可能性も高いのはわかります。が、東京五輪に向けて、何でもかんでもスポーツ至上主義になり、文句を言うな、と一色に染まっていく風潮は正直気持ち悪い。
そう言えば、政府・与党が導入検討を指示した「サマータイム案」もしかり。何より違和感を感じるのは、「五輪なんだから当然協力すべき」「協力が得られるはず」と安直に思い込んでいる人が、国や組織のトップにたくさんいることです。結局サマータイム案はITや食品流通業界など複数の業界から反対の意見が噴出し、「オリンピックだから何でも協力すべきというのはおかしい」という意見も多く聞かれます。反対意見が約7割を占めた調査もあるほど(TOKYO FM「クロノス」)。
2020年までにはまだ2年もある。その間にこれ以上、スポーツ・五輪至上主義にドラマが(あるいはその他スポーツに関係ないさまざまな領域が)巻き込まれ振り回されないないことを心から祈ります。