芸能

アジア大会を中継しドラマを休止するTBSの神経がわからない

綾瀬はるかも「2週間お休み」(写真/時事通信社)

 放送局の編成部は最も権威を持つセクションだと言われる。ただ、いつどこで何を放送するかを決める彼らの判断が、常に正しいとは限らないだろう。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 4年に一度行われるアジア最大のスポーツの祭典 『アジア大会』。インドネシアのジャカルタでは9月2日まで42競技465種目、45か国から参加した選手たちが競い合うデッドヒートが展開されています。TBSでは連日、堂々のゴールデンタイムにLIVE中継。チャンネルをかえている途中にふと、競技の結果が気になり画面をじいっと見つめてしまう人も多いかもしれません。2年後には東京五輪を控えている日本。今、スポーツというコンテンツはとにかく貴重なのでしょう。

 たしかに「予定調和ではない」点こそ、スポーツ中継の最大最強の魅力。見る方はハラハラドキドキ、その競技のルールを知らなくたって自動的・反射的に視線が吸い寄せられてしまう。一方、選手は一回ずつ渾身の力を込め「今・ここ」に立ち向かっていく。それだけに、画面から滲み出す緊迫感は半端ない。マンネリ化したバラエティ番組や同じ出来事ばかり繰り返す情報系番組より格段に人を引き寄せる力があるはず。

 そう、スポーツのライブ中継は今、視聴率が最も稼げる救世主的コンテンツかもしれません。

 でも。そうは言っても……。

『アジア大会2018ジャカルタ』のために、あらゆる犠牲はやむをえないのかどうか。ちょっと首をかしげたくなることもあります。例えば、毎週連続して視聴する楽しみに支えられたコンテンツ=ドラマを、軽視する結果になってはいないでしょうか?

 夏クールのドラマにおいて、TBSには『この世界の片隅に』(日曜日午後9時)や『義母と娘のブルース』(火曜日午後10時)と評判が高く視聴者・ファンがしっかりついた注目作品がある。それなのに、アジア大会のためにドラマは泣いてくださいと言わんばかり、「2週間お休み」に追い込まれている現実。

 特に『この世界の片隅に』は、放送する時期について「8月」ということが大きな意味を持っています。先の第6話は昭和20年(1945年)終戦間近にさしかかってきて、ますます物語は緊迫しています。主人公・すずと姪の晴美が空襲を受けて防空壕に逃げ込み、目の前の不発弾に閃光が……というシーンで6話は終わりました。

 ところが、「はい、あとは2週間後までお待ちください」。そう、次回7話は9月に入ってからの放送です、というわけです。

 また、綾瀬はるか主演の『義母と娘のブルース』も3週連続で最高視聴率を記録、まさしく上り調子の局面になっていきなり「2週間お休み」。いくらスポーツ中継が以前から決まっていたとはいえ、人々のドラマに託する想いというものもあるはずです。次の展開を想像することが楽しみの一つでもあるドラマにおいて、簡単に放送を寸断してしまう局の神経がわからない。

トピックス

ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
木瀬親方
木瀬親方が弟子の暴力問題の「2階級降格」で理事選への出馬が絶望的に 出羽海一門は候補者調整遅れていたが、元大関・栃東の玉ノ井親方が理事の有力候補に
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
寮内の暴力事案は裁判沙汰に
《広陵高校暴力問題》いまだ校長、前監督からの謝罪はなく被害生徒の父は「同じような事件の再発」を危惧 第三者委の調査はこれからで学校側は「個別の質問には対応しない」と回答
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン