その後、1970年代後半に再び経営危機に見舞われるが、1978年に発売した新シリーズ「ギャツビー」が萩原健一、松田優作らのCM起用などで人気を呼び、会社は立ち直った。
「先入観を捨て、タブーとされる価値観に挑む社風が定着したのはこの時期です。たとえば、洗顔フォーム。当時は女性用と相場が決まっていましたが、男性用として発売してヒット商品に育ちました」(同社広報部)
さらに1989年に業界初の無香料男性化粧品「ルシード」、1996年には「外で男がペーパーで顔を拭く」行為を定着させた「フェイシャルペーパー」など、“攻めの商品開発”で市場を切り開く。
一方で、女性市場や海外にも進出するなど、創業90年の老舗企業とは思えないチャレンジマインドは、荒野を駆けるブロンソンの姿と重なる。
※週刊ポスト2018年9月14日号