今後、ZARAもジーユーも不採算の実店舗を閉鎖し続け、その穴埋めをネット通販で行うことを考えているのでしょう。日本国内でそれを早くもテストしているのが、ジーユーと同じファーストリテイリングが展開する巨大ブランド「ユニクロ」です。
国内のユニクロ売上高は増え続けており、すでに8000億円を越えています。しかし、その一方で、店舗数はジワジワと減っており、直近だと784店と800店を下回ってしまいました。ピーク時は834店舗ありましたから50店舗減少したことになります。
店舗数が減少しているのに売上高が増え続けている理由は、各店舗の売上高が増えているか、ネット通販が増えているかのどちらか、またはその両方を実践しているとしか考えられません。
今後はさらに不採算の実店舗を減らし、その分、ネット通販を強化すると考えられます。それによって売上高を拡大すると同時に、収益性を高めることを狙っているのでしょう。同じ会社ですから、ジーユーに対しても同じ方針を取るはずです。今回の試着専用店の出店はそのための布石ということでしょう。
ZARAは「売り切れ御免」が代名詞であるように商品の型数・品番数が多くあります。当然、全型数を展開できない店舗も珍しくありません。ZARAほど型数は多くはありませんが、ジーユーにもそれなりに型数が多くあります。今春展開し、9月14日より再度展開するキム・ジョーンズとのコラボラインのように「超大型店」や「旗艦店」にしか入荷しない特別な商品もあります。
超大型店や旗艦店が近くにない人は、ネットで購入するほかないのですが、いくら低価格品といってもサイズ感や生地の触感を知りたいという人は多数いますから、全型数がそろう試着専用店の必要性はジーユーでもそれなりにありますし、ZARAにもそれなりにあります。
ただ、原宿や六本木に来られるような人はわざわざ試着専門店に行く必要もなく、東京都心の超大型店や旗艦店に行けば済むので、やっぱり試着専用店での売上高というのはそれほど多くは見込めないと考えられます。