世の中の常識は時代に寄って変わるもの。それは子育ての常識も同じだ。たとえばかつては「赤ちゃんの日光浴は健康にいい」とされていたが、今は「長時間の日光浴は健康に悪影響」というのが常識となっているという。子育て本を多数上梓する立石美津子さんが解説する。
「オゾン層の破壊から紫外線量が増えたことで、1998年の母子手帳から日光浴の記述がなくなりました。ただ近年、過度の紫外線対策により子供の『くる病』(※日光浴で得られるビタミンDの欠乏や代謝異常によって骨が石炭化して脆くなる病気)が増加。日焼けしない程度に外気を浴びて」(立石さん。以下「」内同)
また「抱き癖をつけるとよく泣くようになる」という常識も時代遅れだ。今は「抱き癖はむしろつけた方がよい」とされている。
「泣いたらすぐに抱っこしてあげることで、自己肯定感、人に対する信頼感、愛情形成などが育まれます」
ミルクに関する常識も変わっている。以前は「粉ミルクのほうが栄養価が高い」と言われていたが、今はそうではない。母乳のみでも栄養素は変わらない。
「初乳には免疫力を高める効果もあるため、現代は母乳育児が推奨されていますが、出ないからといって悩む必要はありません」
また、かつては「母乳や粉ミルク以外に白湯や果汁を与える」という常識もあったが、これも今はNGとされている。
「昔は母体の栄養状態が悪かったため、母乳だけでは必要な栄養を与えられませんでした。今は、母乳や粉ミルクで足りていれば○。まだ内臓機能が発達していない赤ちゃんの腎臓に負担をかけるため、必要なしとされています」
※女性セブン2018年10月4日号