ビジネス

橘玲×中川淳一郎 やっぱりウェブはバカと暇人のもの

ウェブが「バカと暇人のもの」になっていくのは必然だった

 いまやインターネットは人々の生活に欠かせないツールになったが、その反面、ネットを舞台にしたトラブルも後を絶たない。ネットの利便性の背後にある“負の側面”は、どう認識されてきたのか。『言ってはいけない』(新潮新書)、『朝日ぎらい』(朝日新書)などの著書がある作家・橘玲氏と、『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)などの著書があるネットニュース編集者の中川淳一郎氏が語り合った。(短期集中連載・第2回)

 * * *
中川:橘さんは実名を公表していませんし、過去の経歴もお顔も出してはいませんね。何か意図はあるのですか?

橘:2001年に『マネーロンダリング』という国際金融犯罪小説を出したとき、こういうテーマなら著者は国籍も性別もわからないほうが面白いんじゃないかということで、編集者と「橘玲」というペンネームを考えました。そのあと、「ネットに本名や顔写真を載せてもあんまり良いことはないなあ」と思うようになって、そのままです。

中川:確かに芸能人や政治家のように、とにかく知名度を高めたい人以外にとっては、ネットに情報がダダ漏れになってもあまり得はしないですよね。作家であれば、キチンとした読者についてもらえればそれでいい面はある。

橘:物書きとして、自分の書いた文章をできるだけ多くのひとに読んでもらいたいとは思っていますが、自分の顔を不特定多数のひとに知ってほしいとはぜんぜん思わないですから。顔出しして本が10倍売れるなら考えますが、そんなこともないみたいだし。ところで、中川さんは、『ウェブはバカと暇人のもの』をいつ書かれたんでしたっけ?

中川:2008年末に書き始め、2009年4月に発売されました。

橘:僕はブログを始めたのがちょうどその頃で、中川さんの本を読んで、「ウェブの世界ってこんなことになっているのか」とすごく勉強になりました。ネットとテレビの関係について書いていたじゃないですか。

中川:第3章の『ネットで流行るのは結局「テレビネタ」』ですね。

橘:テレビ業界についてはすごく印象に残っていることがあります。(作家活動を始める前の)編集者時代に「テレビ局のディレクターで面白い若手がいる」と聞いて、何かのネタになるかもと会いに行ったんです。彼は昼のワイドショーを担当していたんですが、名刺交換のあとにいきなり、「私なんかの話を聞いてもしょうがないですよ。しょせん、バカに娯楽を提供しているだけですから」と言われました。

関連記事

トピックス

【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
各局が奪い合う演技派女優筆頭の松本まりか
『ミス・ターゲット』で地上波初主演の松本まりか メイクやスタイリングに一切の妥協なし、髪が燃えても台詞を続けるプロ根性
週刊ポスト
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン