ライフ

医者の「大丈夫です」を信じてはいけない、見逃し誤診を疑え

医者の言うことを信じなければ始まらないが…

「異常ありません」と、医者から告げられたのに、実際にはすでに体は病に冒されていた──。「見逃し誤診」は、患者の人生を一瞬にして暗転させる。“きちんと診察や検査を受けている”と安心している人ほど、受けるショックは大きい。それが命にかかわる病気であれば、取り返しがつかないこともある。悲劇はなぜ起きるのか。防ぐ術はないのか。ジャーナリストの岩澤倫彦氏がレポートする。

 * * *
「えーっ! そうだったのか、ひょっとしたら私の見逃しかなと思いましたよね。やっぱり人間の目は100%じゃありませんから」

 胃がん検診の精密検査でスキルス胃がんを見逃した、都内の医師は、取材に対してこう言った。その言葉のあまりの軽さに、筆者は全身の力が抜けた。

 受ける側にとっては、人生を左右する重大な検査だ。一方で、担当する医療者の中には、一人の命がかかっているという切実さに鈍感な者も存在する──。

 轟哲也さんは早稲田大学理工学部出身。大手電機メーカーに勤務後、特許関連の事務所を経営していた。

 酒やタバコもやらず、ジムに通い詰め、50代でありながら水泳選手のような筋骨隆々の体型を維持していた。本人曰く「健康オタク」。だから、住まいのある渋谷区のがん検診は毎年欠かさず受けていた。国が推奨するバリウム検査である。

関連キーワード

関連記事

トピックス

店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
乱戦の東京15区補選を制した酒井菜摘候補(撮影:小川裕夫)
東京15区で注目を浴びた選挙「妨害」 果たして、公職選挙法改正で取り締まるべきなのか
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト