滋賀県の大津市教育委員会は市立小中学校の電話を夜間は自動対応にしたり、北海道教育委員会は出席簿や通知表を管理するシステムを導入するなど、全国各地で教師の「働き方改革」が進み、時短に貢献しているとの報告もある。
だが諸富教授は、「本当に教師の負担を軽減するために必要なのは、周囲の意識改革です」と指摘する。
「そもそも今の時代にあえて教師を志すのは純粋でまっすぐな若者が多く、コミュニケーションや力量に難はあっても、長い目で見守れば伸びるはずです。しかし、若い教師に親が圧力をかけすぎると授業が遅れてクラスが荒れ、結局は子供の学力低下につながります。本来なら若手をサポートする役割のベテラン教師が次々といなくなる今、親や周囲は若い教師を育てるつもりで応援してほしい。親も教師もお互いにある程度がまんを重ねて、大人になるしかないんです」
『熱中時代』の北野広大先生(水谷豊)も、『3年B組金八先生』の坂本金八先生(武田鉄矢)も定年になり、教師の尊厳が失われた時代。教育に求められるのは「忍耐力」かもしれない。
※女性セブン2018年10月25日号