「好き嫌い克服のためには、旨みを効かせることもポイント。旨みを出す肉や練り製品などと組み合わせると食べやすくなります。具だくさんの煮物、おかずスープなどは理想的です。スープにプラスしたい旨み食材として人気なのは、ちくわなどの練り製品や油揚げ、炒めたちりめんじゃこ、半熟卵など。ツナ缶も野菜の和えものやサラダに混ぜるといいですね。チーズやヨーグルトなどの乳製品もこくが出て、やさしい味になるので子供たちに好評です」
さらに、子供がすべてを理解できなくても、大人の知識や調理で工夫したことを惜しみなく伝えるのも効果的だ。
「『にんじんにはビタミンAが入っていて、目の健康によくて、肌も守ってくれるよ』とか、『トマトにはリコピンが含まれていて、疲れが取れるんだよ』など、専門用語を少し交じえながら体への作用や効能を教えてあげると、子供たちはがぜん興味を持って聞いてくれます」
松丸さんは毎日、給食の時間に各教室を回って、子供たちの生の声を聞いているが、子供たちの中には、畑の存在を知らず、野菜がどこでどう育つか知らなかったり、魚に関しても『お刺身はどうやって泳ぐの?』と聞く子もいるという。そうした子でも、食の知識をきちんと教えて関心を持たせてあげると、食べ残しは確実に減っていくという。
「勤務開始当初に比べて、食べ残しは9割減になりました。焦らず、少しずつ工夫を重ねることが大事です」
※女性セブン2018年11月8日号