芸能

春風亭一朝の親子会 若手から大名跡まで揃う一門会の魅力

若手から大名跡までが揃う一門会の魅力とは

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、将来楽しみな若手から大名跡までが揃う一門会についてお届けする。

 * * *
 9月12日、人形町の日本橋社会教育会館で「三春会」を観た。春風亭一朝とその弟子の柳朝、一之輔の3人による親子会という趣旨で、これが第1回。「みはるかい」と読むのだということは当日楽屋に来るまで誰も知らなかったそうだ。

 開口一番は一朝の九番弟子の一猿が『松竹梅』を披露。前座にしては達者な口調で将来が楽しみだ。

 続いては一朝の三番弟子、三朝。彼はレギュラーではない。二ツ目の「朝也」時代にNHK新人演芸大賞(2014年)を受賞した経歴を持つ有望株で、この日の演目は『猿後家』。ハリのある声でテンポ良く演じる「後家の機嫌を取る男」がニンに合っていて楽しい。

 この噺、かつては小三治が、近年では志の輔が、それぞれ「結局しくじる」皮肉なサゲで演じているが、三朝はオーソドックスに「木から落ちたサ……猫同様でございます」と踏みとどまる型。

 次は大師匠の名跡を継ぎ六代目となって11年の柳朝。淀みのない滑らかな口調とスマートな芸風で江戸落語を綺麗に聞かせる演者だ。この日演じた『唖の釣り』は八代目林家正蔵が上方から東京に移植した「お家芸」。七兵衛が仕草で言い訳をする場面で無理に笑わせようと押さないところに好感が持てた。

 休憩を挟んで一之輔が『化物使い』を。働き者の杢助のくだりは手短に済ませつつ、杢助の台詞の独自性で笑いを取るあたりはさすが一之輔。後半は、一つ目小僧に「もっと元気よく挨拶しろ!」と強要したり、大入道の脛にパンチを連打したりと、吉田のご隠居の化物たちへの対応が抜群に可笑しい。ご隠居の描写だけで化物たちの戸惑う様子がありありとわかるのが一之輔の上手さだ。

関連キーワード

トピックス

28年ぶりの再会したCHA-CHA(撮影/小澤正朗)
【独占告白】あのCHA-CHAが帰ってきた!28年ぶりの再会ショット公開、発起人が語る「今のCHA-CHAを見せたい」理由と再始動への熱き思い
NEWSポストセブン
永野芽郁の不倫騒動の行方は…
《『キャスター』打ち上げ、永野芽郁が参加》写真と動画撮影NGの厳戒態勢 田中圭との不倫騒動のなかで“決め込んだ覚悟”見せる
NEWSポストセブン
阿部監督
岡本の負傷、坂本の起用、秋広のトレード…巨人が貯金ゼロで4位転落の緊急事態に大物OB・広岡達朗氏が苦言「1年目の阿部はよくやっていたが、だんだんダメになっている」
NEWSポストセブン
電撃の芸能界引退を発表した西内まりや(時事通信)
《西内まりやが電撃引退》身内にトラブルが発覚…モデルを務める姉のSNSに“不穏な異変”「一緒に映っている写真が…」
NEWSポストセブン
山本アナは2016年にTBSに入局。現在は『報道特集』のメインキャスターを務める(TBSホームページより)
《TBS夜の顔・山本恵里伽アナが真剣交際》同棲パートナーは“料理人経験あり”の広報マン「とても大切な存在です」「家事全般、分担しながらやっています」
NEWSポストセブン
入院された上皇さまの付き添いをする美智子さま(2024年3月、長野県軽井沢町。撮影/JMPA)
美智子さま、入院された上皇さまのために連日300分近い長時間の付き添い 並大抵ではない“支える”という一念、雅子さまへと受け継がれる“一途な愛”
女性セブン
交際が伝えられていた元乃木坂46・白石麻衣(32)とtimelesz・菊池風磨(30)
《“結婚は5年封印”受け入れる献身》白石麻衣、菊池風磨の自宅マンションに「黒ずくめ変装」の通い愛、「子供好き」な本人が胸に秘めた思い
NEWSポストセブン
西内まりやがSNSで芸能界引退を発表した(Aflo)
《西内まりやが芸能界引退へ》「自分らしい人生を見つけていきたい」理由のひとつに「今年になって身内がトラブルを起こしていることが発覚」【自身のインスタで発表】
NEWSポストセブン
出演しているCMの画像や動画が続々と削除されている永野芽郁
《“二の矢”で一気に加速》永野芽郁、止まらない“CM削除ドミノ”  旬の著名人起用で“チャレンジ”続けてきたサントリーからも消えた 永野にとっても大きな痛手に
NEWSポストセブン
真剣交際が報じられた犬飼貴丈と指原莉乃(SNSより)
《仮面ライダー俳優・犬飼貴丈と真剣交際》“芸能界の財テク王”指原莉乃の「欲しいもの全部買ってあげる」恋愛観、私服は6万超え高級Tシャツ
NEWSポストセブン
母の日に家族写真を公開した大谷翔平(写真/共同通信社)
《長女誕生から1か月》大谷翔平夫人・真美子さん、“伝説の家政婦”タサン志麻さんの食事・育児メソッドに傾倒 長女のお披露目は夏のオールスターゲームか 
女性セブン
奥本美穂容疑者(32)の知られざる”アイドル時代”とは──(本人SNSより)
《フリフリのセーラー服姿》覚せい剤で逮捕の美人共犯者・奥本美穂容疑者(32)の知られざる“病み系アイドル時代”【レーサム元会長とホテルで違法薬物所持の疑い】
NEWSポストセブン