超・早期発見が大切と聞くと「毎年人間ドックを受けているから私は大丈夫」と安心する人がいるかもしれないが、岡田医師はこう指摘する。

「人間ドックの検診は万人に向けた“基本セット”で生活習慣や体質といった個人差を考慮した“オーダーメードメニュー”ではありません。例えば、がん検診を受ければ、すべてのがんを早期発見できるわけではない。自分の健康リスクや生活習慣に応じた検査でなければいけないのです」

◆大腸がん検査のゴッドハンドが操る500倍内視鏡の精度

「早期に発見できれば、100%治せる。大腸がんでは患者を死なせません」

 絶大な自信を見せるのは、大腸がん検査の第一人者で昭和大学横浜市北部病院消化器センター長の工藤進英医師だ。これまで30万件以上の大腸内視鏡検査を行ない、「内視鏡のゴッドハンド」と呼ばれる。

 大腸がんは日本人が罹患するがんの1位で、年間約15万人が発症する。死亡数は2位(女性は1位)で、年間約5万人が亡くなる。一方で早期発見さえできれば助かる確率も高く、ステージIで発見した場合の10年生存率は、90%を超える。厄介なのは「陥凹(かんおう)型」と呼ばれるタイプのがんだ。

「このタイプは病変が凹んでいるため便に触れることがなく、大腸がんの典型的な初期症状である血便が生じないため、『便潜血検査』や肛門からバリウムを入れて撮影する『注腸X線検査』、『大腸CT検査』では確認が困難です。それでいて通常の大腸がんの3倍の速度で進行するので、発見が遅れるほどリスクが増します」(工藤医師)

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