糖尿病の“予兆”として注目されるようになってきたのが、「血糖値スパイク」だ。銀座泰江内科クリニックの泰江慎太郎医師が解説する。
「血糖値が食後1~2時間のうちに急激に140mg/dl以上の高血糖となるのが『血糖値スパイク』です。これが生じると、血糖値の乱高下によって血管がダメージを受けてしまい、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを上昇させると言われています。
それだけでなく、今度は急激に血糖値を下げようとすることによって血糖値をコントロールする器官である膵臓が疲弊してしまい、糖尿病に繋がる。血糖値スパイクは『病気』として認められていませんが、糖尿病の一歩手前の危険な状態と捉えている医師が多いようです」
食後に急激に眠くなったり、グッタリしてしまう人は、血糖値スパイクの疑いがある。しかし、これまで血糖値スパイクかどうかを確認するには、指先から採血して血糖値を計る方法しかなかった。
そこに「血糖値スパイク検診」という画期的な検査法が登場した。上腕部にパッチのようなセンサーを取り付け、専用リーダーで数値を読み込むだけ。24時間連続で最長14日間の血糖値を測定できる。このキットを用いて食後1~2時間の血糖値を測定すれば、血糖値スパイクの数値を「見える化」できるのだ。料金はカウンセリング込みで3万5000円(銀座泰江内科クリニックの場合)。
「血糖値の推移を連続的に記録するので、人間ドックで調べる『空腹時血糖』の数値では捉えられない血糖値スパイクや、同じく糖尿病の前段階だといわれている『隠れ高血糖(食後高血糖)』を把握できる。血糖値の値はいつでも、専用リーダーで確認できるので、気になる数値が検出されたらすぐ医師に相談できるのもメリットです」(泰江医師)
※週刊ポスト2018年11月16日号