今年の秋華賞に臨んだアーモンドアイの単勝オッズは1.3倍。人気に応えて圧勝し、牝馬三冠に輝いたが、「1本かぶり」の馬がいつも勝ちきっているわけではない。こういうレースにはどう向き合うか。競馬歴40年のライター・東田和美氏が、単勝1倍台の競走馬の強さについて考えた。
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10月の東京・京都開催全18日216レース中、1番人気馬の単勝オッズが2倍を切ったのは約3分の1にあたる73レースで、その「圧倒的人気馬」(以下「人気馬」)が勝ったのは半数以下の35レース。意外と信頼性がなかったが、2着が20回あるので、連対率は75%にも及ぶ。
連対時の馬連の払戻額は最低150円で半数は500円以下、平均は950円ほどだ。単勝オッズと馬連の払戻額は連動しているわけではないが、圧倒的1番人気の馬が出ているレースは、概ね堅く収まっている。
一方、馬連払戻額の最高は、2着に14番人気が飛び込んできた東京初日(10月6日)の第2レースで8350円。このときの1番人気馬の単勝オッズは1.1倍。馬単は7940円で、馬連を下回った珍しいケースだった。「人気馬」を軸にするときは、馬単にする必要はないという好例だ。これはよく覚えておきたい。
この間、「人気馬」への騎乗がもっとも多かったのが、モレイラで19回。2位がルメールで18回、3位がデムーロの5回と、予想通り外国人騎手が上位を独占した。彼らが騎乗することで人気が集中するケースも多い。勝ったのは、それぞれ8回、9回、1回。他の馬の標的にされ、強欲な競馬ファンが勝って当然という思いで見つめるプレッシャーにさらされながらの騎乗。慎重になりすぎて脚元を掬われることも多い。