馬券を買う側はどうするか?
軸が堅いとみて、「人気馬」を軸にした馬連を何点か買って見事的中。でも確定してみたら赤字だった……そんな経験は多いだろう。よほど相手を絞るか、人気薄を連れてこないとプラスにはならない。三連複は言うに及ばず、三連単の1着固定も同様だ。
馬券的妙味があるのは負けたとき。2回に1回は負けているのだが、馬券対象から外すのもリスクが大きい。そこで、たとえ敗れても2着なら払戻額が違ってくることに注目したい。たとえば10月27日のスワンSは、安田記念を勝っているモズアスコットがルメール騎乗で1.3倍だったが、2着に敗れた。勝ったのは2番人気のロードクエストで馬連こそ320円だったが、馬単は1090円。もし人気通りだったら400円しかついていなかった。
10月の開催で「人気馬」が2着になった20レースの馬単合計払戻額が、1着になった35レースの2倍にもなった。馬連流しを200円買うぐらいなら、そのうち100円を馬単の2着付けにするのも一案。的中の配当に妙味がある。
しかし、1番人気が2倍を切るようなレースは出走頭数が少ないことも多く、紛れがなく実力を出し切れることも多い。観戦するだけ(「見」)にして手を出さず、次のレースのために資金をプールする。案外、これが一番「儲かる」のかもしれない。人気をかぶった馬がどんな乗り方をして勝つか(あるいは負けるか)をじっくり見るだけでも、競馬の面白さを堪能できる。
●ひがしだ・かずみ/今年還暦。伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。
※週刊ポスト2018年11月23日号