スポーツ

ソフトバンクはフル活用で日本一に 進化するデータ野球の今

フィールド全体の映像を解析し、守備・走塁動作をデータ化

「野球は数字のスポーツ」の言葉があるように、野球とデータは切っても切れない関係にある。その動きは2010年代に入り、急激に進化している。

 データ野球の本場メジャーリーグで、近年のデータに関する大きな出来事といえば、2011年に公開された映画『マネーボール』の題材にもなった「セイバーメトリクス」の台頭だろう。打者なら打率や本塁打数、投手なら勝利数や防御率だけで判断してきた選手の能力を、それ以外の客観的な指標で評価して隠れた実力者をあぶり出し、チーム編成に生かす方法だ。

 そうした考え方はプレーを測定する機材の発達により、さらに加速する。代表例が「トラックマン」と呼ばれる弾道測定器の登場だ。2013年頃から本格的に導入された軍事技術を用いた仕組みで、ボールの動きを三次元的にトラッキング(追跡)。球速はもちろん、回転数や回転軸の向き、リリースポイントの位置や変化量、さらに打球の速度や角度、飛距離なども計測できるようになった。

 こうした高性能機材で計測されたデータはどんどん蓄積されてビッグデータとなり、戦術にも変化をもたらす。極端な守備シフトを採用し、20年連続負け越しの弱小球団から脱却したピッツバーグ・パイレーツはその成功例だろう。

 近年では、「トラキャブ」という映像データを基に選手の動きを解析するシステムも登場した。メジャーではこのトラキャブの機能とトラックマンの機能を合わせた「スタッドキャスト」と呼ばれるシステムが、全30球団の本拠地に導入されている。

 こうしたデータ野球の波は日本球界にも押し寄せている。その最先端を走るのが福岡ソフトバンクホークスだ。IT企業のライブリッツ株式会社と提携し、ヤフオクドームで測定したトラックマンデータなどの解析を行なっている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト