ライフ

乳がん検診が進歩 痛み、見落としが少ない診断も登場

「痛くてつらい」は過去のものに(写真/アフロ)

 女性では最も患者数が多いがん種である乳がん。これまで“見落とし”のリスクが多いことや、乳房を強く挟んで撮影するマンモグラフィー検査の痛みが喧伝されてきたが、こちらの検診も進歩している。

 大手町さくらクリニックin豊洲の西山寿子院長が解説する。

「当院でも導入している『Invenia ABUS』という最新の超音波検診装置は、従来の超音波検査(エコー検査)と比べて技師の腕に左右されないうえ、乳房の様子を3Dで全体的に撮影・保存できるため見落としも少なく、継続的に経過観察できるメリットがあります。撮影時も乳房を軽く押さえる程度ですので痛みも少なく、時間もきっちり15分で終わります。当院では検診としては5400円で受けられますが、症状があれば保険適用にもなります」

 何より、現在主流のマンモグラフィー検査はX線を使った検査。わずかとはいえ放射線被ばくは避けられない。超音波であれば、それを避けられるメリットもある。

 だが、前出のABUSだけを受けていればいいわけではない、と西山先生が言い添える。

「乳がんは『石灰化』か『塊』の状態で見つかるが、石灰化はマンモグラフィー、塊は超音波がより早く見つけられます。両方を同時に受けるか、一年おきにマンモグラフィーと交互で受け、がんの見逃しを減らすのがお勧めです」

 検査機器の特性を知り、賢く受診したい。

 50代以上の女性の7割が悩んでいるという更年期。にもかかわらず、職場や自治体の検診、また人間ドックでもホルモンについて調べる検査はほとんど用意されていない。

 ウィメンズヘルスクリニック東京の浜中聡子院長が言う。

「当院では女性ホルモン値を調べる血液検査と血管の弾力性を示す値を調べる検査、骨密度検査などを合わせた検査を『ホルモンドック』として行っています。ホルモンに関しては医師の間でも認識が充分とはいえず、中にはホルモン値の検査をせずにホルモン補充療法を行う医師がいるなど、適切でない治療がなされることも現実にはあります」

 同院のホルモンドックの費用は3万5000円。更年期障害だけでなく、月経困難症や月経前症候群(PMS)も、ホルモンのアンバランスによって起きているのだという。

「40才になったら一度、症状がなくても自分のホルモンの状態がどうなっているか調べてほしい。検査をしたからといって、必ずしも治療が必要になるわけではありません。たとえば『まずはサプリや漢方から』など軽めの処方も可能です」(浜中先生)

※女性セブン2018年12月13日号

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン