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過去の入試対策は通用しない、「解答なし」など新制度続々

「国語」という概念を超えた開成中学校の入試問題

 都内在住の青田慶子さん(仮名・44才)は、学区の公立小学校に通う小2の息子を持つ共働きの母親。最近、息子と同じクラスのママ友たちは、早くも「中学受験どうする?」という話で持ちきりだ。

 しかし、都内の名門女子中高一貫校出身で、息子にも私立中学進学を望む慶子さんは、内心こう考えていた。

「そんなに焦らなくても、あと1年くらいしたら進学塾に通わせれば大丈夫。中学受験なんて、所詮は過去の出題パターンをたたき込んで、暗記モノを詰め込めばいいんだから」

 だが、この秋に開かれた入塾説明会でとある難関私立中の入試問題を見た瞬間、彼女の淡い期待は打ち砕かれた。受験って、こんなに変わってたの!?

 真冬の風物詩ともいえる大学入試センター試験が廃止される。1990年に始まったセンター試験は、各大学の一般入試に先立って、毎年1月中旬~下旬に全国一斉に行われる共通テストだ。

 2006年に「国語I・II」が「国語」になり、英語にリスニングの試験が加わるなどのマイナーチェンジを繰り返しながらも続いてきたが、2020年1月を最後に廃止される。「平成」という時代とほぼ同じに始まり、ほぼ同時に終焉を迎えるのだ。

 そして、センター試験に代わり、新システムの共通テストが2021年から始まる。これを、教育界では「2021年ショック」と呼んでいる。大手大学受験予備校「河合塾」広報の岩井達さんが解説する。

「現在の大学入試は大きく分けて、面接が中心の『AO入試』、出身高校の推薦に基づく『推薦入試』、学力試験の『一般入試』の3種類です。そのうち一般入試において、国公立大と多くの私立大が導入しているのが、マークシート式で主に知識や技能を問われる『センター試験』ですが、2021年の廃止に伴い、『大学入学共通テスト』という新しい試験が始まります」

 新テストで問われるのは、知識や技能だけではない。

「今の世の中は、IT化やAI化が進み、めまぐるしく発展している。30年前は携帯電話すら普及していなかったのに、今はSNSで誰でも世界とつながれます。そんなふうに変化のスピードが速い現代では、かつてのような知識や技能だけでは生きて行けない。

 自ら課題を発見して、それらを他者と協力して解決するための資質や能力と、柔軟な姿勢でさまざまなことをいつも学び続ける力が必要なのです。そのため、新テストでは、知識や技能はもちろん、それを活用する思考力や判断力、表現力が重視されています」(岩井さん)

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