芸能

カンニング竹山の動画が示す「実は甘くないキャンプ事情」

カンニング竹山、YouTubeでバズろうとキャンプ(イラスト/ヨシムラヒロム)

 数年前からキャンプ人気が再燃しており、2018年はグランピング=グラマラス(魅惑的)なキャンプが女性を中心に広がった。その様子はSNSでも拡散され、ソロやグループ、女子会のように華やかで賑やかなキャンプ動画が投稿され人気を集めている。カンニング竹山隆範のYouTubeチャンネル『カンニング竹山~拝啓テレビ局様チャンネル』でも、バズる目的でキャンプ動画を公開した。イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、竹山が実践したキャンプから見える現実について、考えた。

 * * *
 生まれてからずっと中野区に住んでいる。32年間暮らしているので、それなりに愛着はある。中野の利点といえば、交通の便の良さだ。比較的どこにも出やすい、ブランド力は低いが機能性には優れている。格安アパートも多いゆえ、上京して来る若者は住みやすい。また、芸人が住む街としても著名である。

 初めて、中野=芸人と結びついたのは20年前ぐらいか。当時、「シティテレビ中野」という地元密着型テレビ局をよく見ていた。画質は3倍録画したビデオ並み、ローカルニュースを読むのが普通のおばさん、再放送ばかりの番組編成、といったユルユルな放送。

 YouTubeなどない時代、映像といえば民放もしくは映画。完成品しか見たことない僕にとって、悪い画質で垂れ流すスタイルは衝撃だった。数ある番組なかでも特に画質が荒かったのが『東京ビタミン寄席』。中野にある小劇場で行われたお笑いライブを家庭用ビデオで録画し、それをまんま放送していた。

 画質は酷いが番組は面白かった。数多くの芸人が出演していたが、なかでもカンニングが好きだった。

 当時、カンニングは竹山隆範と中島忠幸のコンビ。フリートークのような漫才でキレ芸をかましていた。借金苦をネタにしていたことが印象に残っている。竹山の切羽詰まった口調から「この人達は本当に大変なんだろうなぁ」と考えさせる威力があった。

 数年後、何度目かのお笑いブームが巻き起こり、彼らはスターダムを駆け上がる。

 このような経緯もあり、カンニング竹山への思い入れは深い。「シティテレビ中野」のノイズ越しで息巻いていた竹山が十数年後、ニュースのコメンテーターとして活躍するとは……世の中、分からないものである。

 そんな竹山が現在、熱心に取り組むのがYouTubeでの活動。自前のチャンネル『カンニング竹山~拝啓テレビ局様チャンネル』で、出身地の福岡でレギュラー番組を獲得することを目指した動画を公開している。

 竹山はロケや食レポといったスキルを披露し、セルフプロモーション。しかし、粗雑なスタッフのミスでプランはグシャグシャに……。動画は一事が万事、このテンションで進む。フィクションかノンフィクションか分からない構成もユニークだ。

 竹山がキレたり、嘆いたり、てんやわんやなチャンネル。そのなかで最もバズったのがキャンプ編である。そもそも、この動画へと至った経緯が面白い。

 テレビ局から仕事のオファーがない→再生回数も伸びていない→まずはバズを起こそう。そこで制作に至ったキャンプ動画。打ち合わせの様子も動画に収めているのが斬新だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト