「一度にたくさん食べるのは禁物です。少量ずつ食べるのが基本で、1日5食、6食と分けて食べるとよいでしょう。また、がん治療中は嗅覚が非常に敏感になる方がいます。ニラやセロリ、ニンニクなど香りの強い野菜に不快感を感じる場合は、控えたほうがいい」(稲野氏)

 冒頭の王氏も、手術直後は1日7回に分けて食事を摂り、徐々に体を慣らしていったという。

 がん患者は体調の波もあるので、食べるタイミングも重要だ。

「特に何時と決めず、気分が良いとき、体調が良いときに、よく噛んでゆっくりと食べましょう。最初は無理に栄養素やカロリーばかりを気にせず、食べられるものからでかまいません。市販の調理済み食品を上手く活用するのもひとつの方法です」(稲野氏)

 在宅医療で数多くのがん患者を診てきた長尾クリニック院長の長尾和宏氏が語る。

「突き詰めれば“自然のままに”ということです。食べたくない時は食べず、食べたくなったら食べたいものを食べる。

 私が診てきた患者さんは、好きな物を好きな時に食べている方々が沢山いました。肝臓がんの80代男性は、亡くなる数日前でも牛肉のステーキを300グラムも平気でたいらげていました。それが生活の質の向上にも繋がるんです。

 がん闘病は、何気ない普段の食事の喜びに気付く最高の機会。味を噛みしめて食べるようになるので、快復後の食事に対する姿勢も変わります」

※週刊ポスト2018年12月21日号

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