レストランなどで外食する際のカロリー表示はさらなる“偽り”が生じる可能性がある。一般的なカロリー表示は、文部科学省が作成する「日本食品標準成分表」(食品成分表)をもとに計算される。しかしレストランなどでは、店や作る人によって調理時に使う油の量や調味料の種類により、できあがった料理のカロリーに大きな差が生じるのが実情だ。
よって、まさに“どんぶり勘定”でカロリーを表示する飲食店もある。2005年、大手ファミリーレストランの宅配サービスで「253kcal」と表示されたポテトフライを食事制限していた糖尿病患者が食べて、体調を崩す事故が発生した。のちに調べたところ、実際には「645kcal」であったことが判明した。垣田さんが話す。
「消費者は、安易にカロリー表示を信じるべきではありません。健康を守るためには、実際に表示されているカロリーよりも多めに見積もってメニューを選ぶ方が賢明です。また、カロリーゼロの商品でも聞き心地のいいキャッチコピーをうのみにせず、パッケージの裏側の栄養成分表示をきちんと確認して、人工甘味料やカロリーとなる成分が含まれているかを、チェックしたい。わからなければ、本当にカロリーはゼロなのかをメーカーにたずねるのが確実です」
同時に前出の大西さんは「カロリーに固執する今の風潮にも問題がある」と指摘する。
「現代の日本人の食生活は、カロリーに振り回されすぎです。人間の体はたんぱく質や脂質からできていて、生きるためにある程度のカロリーは必要なはずです」
過度にカロリーを悪者にするよりも、それがたんぱく質によるものなのか、脂質なのか、それとも糖質なのかに気を配るべきだろう。
※女性セブン2019年1月3・10日号