ただ、あなたがBさんの立場だったとしても、この確率を頭に入れておくことは、けっこう大変かもしれない。そんなときのために、後手のBさんが選ぶべきパターンの覚え方がある。
Bさんは、Aさんが選んだパターンをもとに、つぎのようにパターンを選べばよい。
・1文字目は、Aさんの2文字目と反対にする。
・2文字目は、Aさんの1文字目と同じにする
・3文字目は、Aさんの2文字目と同じにする。
例: Aさんが(T H T)を選んだとき、Bさんは、1文字目は、Aさんの2文字目の反対でT。2文字目は、Aさんの1文字目と同じで T。3文字目は、Aさんの2文字目と同じで H。つまり、(T T H)を選べばよい。
もちろん、このとおりにパターンを選んだからといって、Bさんが必ず勝つわけではない。あくまで、Bさんの勝つ確率が高まるだけである。しかし、もしこのゲームを、1回だけでなく何回も繰り返して行うとすると、Bさんが勝つ回数は、Aさんが勝つ回数よりも多くなっていくだろう。
このように、コイン投げのような偶然性に支配される事象がベースにあったとしても、ゲームの組み立て方によっては、プレーヤー間の有利・不利が、はっきりとつけられてしまう場合がある。
ギャンブルはもちろん、どんなゲームをやるにしても、勝つためには、事前にゲームの仕組みや内容をよく理解しておく必要がある。正月の定番ゲームに飽きたら、一度「ペニーのゲーム」で勝率を確かめてみるのはいかがだろう。