韓国の主力戦闘機、F15K(EPA=時事)
単純に「量」だけを比較すれば、韓国軍は日本の自衛隊を圧倒する。人口が日本の半分以下でありながら、韓国軍の総兵力は63万人。23万人の自衛隊をはるかに上回り、予備役に至っては310万人を数える(自衛隊では3万人)。また、日本の防衛費はGDPのおよそ1%だが、韓国はそれを大きく上回り、2%超となっている。
では、韓国軍の実力が自衛隊を凌駕しているかといえば、そうではない。前出・井上氏がいう。
「戦闘機をはじめとした作戦機体数でも韓国軍は自衛隊を上回る。その性能を見ても、たとえば韓国の主力戦闘機F15Kは、航空自衛隊のF15Jと比べて“上”と言えるでしょう。ただ、練度や運用に疑問符がつきます。過去には地上走行中のF15Kの車輪がマンホールにはまって傾き、機体を損傷したこともあります」
米軍や日本の自衛隊が志願制なのに対し、「韓国軍は徴兵制で兵士の士気にバラつきもあり、最新鋭の武器を揃えていても部隊運用に問題が出てくる可能性がある」(同前)わけだ。
2016年2月に北朝鮮が弾道ミサイルを発射した際は、日米韓のイージス艦がそれぞれ弾道を追ったが、韓国の「世宗大王」だけがミサイルを見失い、日米に問い合わせる事態となった。
「日本も韓国も、イージス艦には米国直輸入の最新鋭レーダーシステム『SPY-1』を搭載していたが、韓国軍だけ追尾する能力が足りなかった」(同前)