国内

漫画村運営者を突き止めると、羽振りの良い暮らしが見えてきた

漫画村運営者は高級タワーマンションに(※画像はイメージです)

 漫画村の運営者は、高級タワーマンションに住んでいた。衝撃的な事実が分かったのは、漫画家のたまきちひろさんとともに漫画村運営者の責任追及を続けている、中島博之弁護士による調査の結果でした。中島弁護士が、漫画村の運営者を突き止めるためにたどった道のりについて、解説します。

 * * *
 この世から漫画が失われるようなことにならないため、漫画家のたまきちひろさんとともに漫画村という海賊版サイトの責任を追及していますが、そのためには運営者を突き止めねばなりません。どこに住む誰が運営しているのか分からないと、法的に責任をとらせることができないからです。インターネット上でしか活動が確認できない人でも、インターネットに接続するためにはリアルでプロバイダーと契約するなどしてネットに接続しています。その接続に関する情報を探すことが、運営者を突き止める手段になります。

 漫画村はインターネット上にありますが、そのサイトにアップロードされているデータは、世界のどこかにあるサーバに保存されています。漫画村が利用している大元のサーバは、NHK『クローズアップ現代』(2018年4月18日放送)で報じられたように、ウクライナにあると思われます。そして、そのデータを閲覧者が利用しやすくするために、アメリカにあるクラウドフレア社のサービスを利用していることも分かりました。それらの発信者情報、つまり契約している利用者の情報が分かれば、漫画村の運営者が誰なのか、具体的になる可能性が高くなります。

 クラウドフレア社を利用することで、契約者は身元が分からないようにすることや外部からのクレームから守られやすくなります。このようなサービスは防弾ホスティングなどと呼ばれ、漫画村は、悪事を隠すために利用していると思われます。もし、クラウドフレア社が漫画村運営のために契約している利用者の情報やアクセスログを公開してくれれば、運営者がどこに住む誰なのかというリアルの情報へ近づけます。

 外国の法人を相手に日本で提訴して、日本の法律で判断するためには、いくつかの条件があります。もっとも分かりやすく裁判が可能になるのは、日本法人をつくっている場合です。ところが、クラウドフレア社は日本に法人を持っていませんでした。

 法人が日本にない場合でも、日本で継続的なビジネスの活動実績があれば提訴が可能になります。当時のクラウドフレア社は日本向けのビジネスをオープンにしていなかったため実態をつかみづらかったのですが、日本の商社と提携して営業活動をしている実績を確認できました。東京にデータセンターもありましたので、米国法人が相手でも、日本での裁判が可能になりました。そして2018年1月、クラウドフレア社の米国登記を取り寄せ、4月16日に日本で提訴しました。

 その後、日本の法律であるプロバイダ責任制限法にのっとって、5月にクラウドフレア社へログの保全を求めること、東京地裁に訴訟を提起していることを通知する書面をEMS(国際スピード郵便)で送り、同時に任意で事前に開示が可能な情報があればお知らせくださいと伝えました。そうしたら、訴訟が本格的に始まるよりも前の8月に、予想していたよりも多く、求めているものの95%くらいを明かした情報が開示されました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

70歳の誕生日を迎えた明石家さんま
《一時は「声が出てない」「聞き取れない」》明石家さんま、70歳の誕生日に3時間特番が放送 “限界説”はどこへ?今なお求められる背景
NEWSポストセブン
イスラエルとイランの紛争には最新兵器も(写真=AP/AFLO)
イスラエルとの紛争で注目されるイランのドローン技術 これまでの軍事の常識が通用しない“ゲームチェンジャー”と言われる航空機タイプの無人機も
週刊ポスト
一家の大黒柱として弟2人を支えてきた横山裕
「3人そろって隠れ家寿司屋に…」SUPER EIGHT・横山裕、取材班が目撃した“兄弟愛” と“一家の大黒柱”エピソード「弟の大学費用も全部出した」
NEWSポストセブン
ノーヘルで自転車を立ち漕ぎする悠仁さま
《立ち漕ぎで疾走》キャンパスで悠仁さまが“ノーヘル自転車運転” 目撃者は「すぐ後ろからSPたちが自転車で追いかける姿が新鮮でした」
週刊ポスト
無期限の活動休止を発表した国分太一
「こんなロケ弁なんて食べられない」『男子ごはん』出演の国分太一、現場スタッフに伝えた“プロ意識”…若手はヒソヒソ声で「今日の太一さんの機嫌はどう?」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《模擬店では「ベビー核テラ」を販売》「悠仁さまを話題作りの道具にしてはいけない!」筑波大の学園祭で巻き起こった“議論”と“ご学友たちの思いやり”
NEWSポストセブン
1993年、第19代クラリオンガールを務めた立河宜子さん
《芸能界を離れて24年ぶりのインタビュー》人気番組『ワンダフル』MCの元タレント立河宜子が明かした現在の仕事、離婚を経て「1日を楽しんで生きていこう」4度の手術を乗り越えた“人生の分岐点”
NEWSポストセブン
元KAT-TUNの亀梨和也との関係でも注目される田中みな実
《亀梨和也との交際の行方は…》田中みな実(38)が美脚パンツスタイルで“高級スーパー爆買い”の昼下がり 「紙袋3袋の食材」は誰と?
NEWSポストセブン
5月6日、ニューメキシコ州で麻薬取締局と地区連邦検事局が数百万錠のフェンタニル錠剤と400万ドルを押収したとボンディ司法長官(右)が発表した(EPA=時事)
《衝撃報道》合成麻薬「フェンタニル」が名古屋を拠点にアメリカに密輸か 日本でも薬物汚染広がる可能性、中毒者の目撃情報も飛び交う
NEWSポストセブン
カトパンこと加藤綾子アナ
《慶應卒イケメン2代目の会社で“陳列を強制”か》加藤綾子アナ『ロピア』社長夫人として2年半ぶりテレビ復帰明けで“思わぬ逆風”
NEWSポストセブン
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《2人で滑れて幸せだった》SNS更新続ける浅田真央と2週間沈黙を貫いた村上佳菜子…“断絶”報道も「姉であり親友であり尊敬する人」への想い
NEWSポストセブン
ピンク色のシンプルなTシャツに黒のパンツ、足元はスニーカーというラフな格好
高岡早紀(52)夜の港区で見せた圧巻のすっぴん美肌 衰え知らずの美貌を支える「2時間の鬼トレーニング」とは
NEWSポストセブン