我々は、お金に縛られて生きている。お金のために自由な精神を奪われ、お金のために平等な暮らしを奪われ、お金のために利己主義になる。ベーシックインカムはその縛りから、我々を解放してくれるのだ。お金からの解放後は、自ら社会の一員としての責任を持って、社会を自らデザインしていく「社会彫刻家」になれる。つまり国民全員が、芸術家になるというのだ。
これから、第四の産業革命で多くの仕事を人工知能とロボットが代替するようになる。失業が多発するのではないかと恐れる人が多いが、そうではない。仕事を人工知能とロボットがやってくれるなら、そのとき人間が何をすべきかを問うべきだ。その意味で本書は、未来社会への指針でもあるのだ。
※週刊ポスト2019年1月18・25日号