「あんな治療を受けなければ」「違う医者にかかっていたら」──病気になると人はさまざまな後悔をするもの。冷静な判断を下すにはどうしたらいいか。
本格的な治療が必要となる場合、患者の悩みはより切実になる。例えば、かかりつけ医で病気と診断され総合病院への入院を勧められた場合、頭を悩ませるのが、「大学病院」か、それとも市民病院などの「一般病院」を選ぶという二択だ。
医師で、医療経済ジャーナリストとして全国の病院を取材した室井一辰氏は「一般病院」を勧める。
「大学病院は設備が整っているため、高度な技術を要する最先端の治療には優れていますが、教育機関でもあるため簡単な手術なら経験を積ませようと若い医師に執刀させるケースが少なくない。
その点、一般病院を選んだほうが熟練のベテランが執刀してくれる可能性が高いため、難易度がそこまで高くない手術なら一般病院のほうが安心かもしれません」
また、手術の際、「日帰りできますが、念のため入院しますか」と提案された場合には悩ましいが、室井氏は「日帰り」を推奨する。
「そもそも医師が『日帰りできる』と説明しているからには、その日のうちに帰宅しても体に大きな影響はない。
また、近年は国内外で『早期離床』が主流となっている。入院期間を短くして早く日常生活に戻ることで体の回復が早まり、患者の満足度も高まるとされています。医師が許可するなら、日帰り手術を最優先に検討すべきです」
※週刊ポスト2019年1月18・25日号