芸能

松本人志の発言は置いてけぼりの昭和世代ハラスメント?

松本人志の発言に指原はジョークで応酬

 作家の甘糟りり子氏が、「ハラスメント社会」について考察するシリーズ。今回は、波紋を呼ぶ松本人志の発言に言及。

 * * *
 本当に驚いたし、あきれた。世の中のたいていの人と同じように。例の松本人志の「お得意の身体を使って~」という発言についてである。

 ツイッターで知ったので、文字通り目を疑った。SNS、特にツイッターは文脈を無視して一文だけを切り取り、悪意を持って拡散されることが多いので、検索して動画を確認した。無責任に揚げ足を取られているわけではなかった。前後も含めて、何度も見た。あまりにも信じがたい言動だったから。

 アイドルグループの女の子がファンの男性から暴行を受け、それが本人の告発によって、一か月もたってから明るみに出た。それについて、グループのリーダー的存在である別の女の子が、松本人志が司会の番組に出演して、興行を運営する側を批判した。きっと勇気が要る行動だっただろう。コメンテーターの社会学者が「それならあなたが(運営の)トップに立ったらいいんじゃないですか」といい、一同がそれに賛同する。なるほど建設的な考えである。彼女は、運営とメンバーの間に立つ人間が必要だけれども、トップで束ねるのはそんなに簡単なことではない、というようなことを答えた。すると、松本人志は、「それは、お得意の身体を使ってなんかするとかさ」といったのだ。枕営業的な意であるのは明白だ。

 この流れのこの時期に、この話題で、この人に対して、そういうことをいうのか。彼も新聞を読んだりニュース番組を見ていないわけでもないだろうに。もしかしたら、自分は別の世界にいるとでも思っているのだろうか。疑問ばかりが頭に浮かぶ。「お得の身体を~」がまさかおもしろいジョークのつもりだったのか。ジョークであっても許されるものではないけれど。

 今、世の中の意識が変わりつつある。2017年10月、ハリウッドの権力者がセクハラで告発されたことがきっかけで、世界中に大きな波が起こった。日本のそれは残念ながらそれほど大きなものとはいえないけれど、でも、起こった。セクシュアルハラスメントは、気にしないふりをして軽くいなすことでも、唇を噛み締めて耐えることでもなくなった。きちんと異議を申し立てるべき案件になった。

 セクハラだけではなく、パワーハラスメントや人種差別など、あらゆる立場の人の人権が尊重される時代なのだ。いや、時代になりつつある、ぐらいかもしれない。どちらにせよ、弱者の声が前よりは世の中に届くようになった(なりつつある、か)。

関連キーワード

関連記事

トピックス

出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』でハリー・ポッター役を演じる稲垣吾郎
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』に出演、稲垣吾郎インタビュー「これまでの舞台とは景色が違いました」 
女性セブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反容疑で家宅捜査を受けた米倉涼子
「8月が終わる…」米倉涼子が家宅捜索後に公式SNSで限定公開していたファンへの“ラストメッセージ”《FC会員が証言》
NEWSポストセブン
巨人を引退した長野久義、妻でテレビ朝日アナウンサーの下平さやか(左・時事通信フォト)
《結婚10年目に引退》巨人・長野久義、12歳年上妻のテレ朝・下平さやかアナが明かしていた夫への“不満” 「写真を断られて」
NEWSポストセブン
バスツアーを完遂したイボニー・ブルー(インスタグラムより)
《新入生をターゲットに…》「60人くらいと寝た」金髪美人インフルエンサー(26)、イギリスの大学めぐるバスツアーの海外進出に意欲
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン