オーバーしてもカップインする距離は大違い(高沖氏の実験動画より)

 ただし、旗竿の素材には注意すべきだという。

 世界ランク5位で“ゴルフの科学者”の異名を取るブライソン・デシャンボーは、昨年11月に開催されたシュライナーズ・ホスピタルズ for チルドレン・オープンに出場。最終日の16番でグリーンカラーからの18メートルのパットをピンを立てたままカップイン。イーグルを決めて優勝をものにした後でこう語っていた。

「(新ルール適用後は)ピンフラッグがファイバー(グラファイト)製の試合では、ピンを立てたままでプレーするつもりだ。鉄製のピンフラッグとファイバー製とでは、はね返りにかなりの違いがある。素材の反発係数にもよるだろうが、ピンが鉄製で通常のものより厚く、ボールが当たった時に大きくはね返る全米オープンではピンは抜くべきだね」

 新ルールでは、ファーストパットは立てたまま、近いパットは抜いてからなど、ストローク前にピンをどうするかを選べる。

「同じ組にピンを抜くプレーヤーと立てたままのプレーヤーがいて、抜いたり立てたりを繰り返せば、時間もかかり、ストレスがたまる。スタート前に“立てたままのほうが入るから、みんなそれでやりませんか”と提案するのも一つの手」(ゴルフ誌記者)

 また、ホールアウトするまでずっとピンフラッグが立ったままにしていると、打ち上げのホールでグリーン面が目視できない場合に、後続組が打ち込んでくるトラブルの危険性が増すことにも注意が必要だろう。恩恵を生かせば、簡単にスコアアップを目指せる。

※週刊ポスト2019年2月1日号

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