「例えば、胃酸が出すぎると胃痛や胃もたれが起こりますし、胃の動きが鈍くなると、食欲不振になりやすくなります。また、胃酸が出ているのに流れが悪くなると、胃から食道へ胃液が逆流する逆流性食道炎を起こします。そうなると、胸焼けを感じたり、げっぷが多くなります」(神谷さん)
FDの原因はさまざまだが、特にストレスが要因になるケースが多いという。
「FDは、ストレスを感じたり、睡眠不足や不規則な生活などで生活習慣が乱れると発症しやすいといわれています。というのも、胃をコントロールしているのは自律神経。ストレスなどで自律神経が乱れると、胃の調子も崩れるのです。特に、不安感が強い人は症状が出やすいといわれています」(神谷さん)
食生活でいえば、揚げ物などの高脂肪な食事やアルコール、カフェインも胃にダメージを与えやすい。冷えも胃の動きを低下させる。
つまり、FDは生活習慣や食生活を見直すことで改善されるのだ。
■更年期以降の女性は特に以下に要注意
『機能性ディスペプシア(FD)』
別名「機能性胃腸症」。検査で異常がないのに胃もたれなどの不快症状が慢性的に続く。
『萎縮性胃炎(ピロリ菌)』
ピロリ菌に感染すると、胃酸が出ない「萎縮性胃炎」になり、FDと似た症状が出る。
『胃がん』
40代から罹患率が増える。ピロリ菌の感染が、がんの発生に関与するといわれている。
『胃潰瘍』
胃酸により胃粘膜が障害された状態。しばしば激しい胃痛が起きる。
『逆流性食道炎』
胃液が食道に逆流することで、胸やけやげっぷなどが出る。40代以降に多い。
『胃のまわりの臓器の病気』
胃のまわりの肝臓、膵臓、胆のうなどの病気でも、胃痛に似た上腹部痛を起こすことがある。
※女性セブン2019年2月7日号