今年の課題は、この良い流れを継続すること。
実は新商品を投入するより、リニューアルのほうが難易度が高いんです。主力商品で失敗したら会社が傾くくらいのリスクですから。しかし、やり切る覚悟がないとリターンもない。今年、新商品頼みではなくリニューアル中心のマーケティングで勝負して勝てれば、良い流れも本物でしょう。
「本麒麟」のヒットで、他社も本気で包囲網を敷いてきます。我々は新商品で応戦することはせず、「一番搾り」と「本麒麟」をリニューアルして、当社で言う“絞りの効いたマーケティング”を磨きます。
【PROFILE】ふせ・たかゆき(58)/1960年、千葉県生まれ。早稲田大学商学部卒業後、1982年キリンビール入社。大阪支社長、小岩井乳業社長などを経て2015年1月より現職。
●聞き手/河野圭祐(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2019年2月15・22日号