あと、ひとつ大きな勘違いを解いておく。日本の経済は長引く不景気でひどいことになっているとか、アジアのなかで地位が急落しているとか、ネガティブな情報にばかり目を向けてはいけない。
IMF(国際通貨基金)の調査によると、日本のGDPは1980年から基本的に右肩上がりを続けていて、ほとんど下落していないのだ。2018年のGDPは550兆円を超えている。数値は30年余りで、倍以上の増額だ。こんなに儲けまくり、稼ぎ倒している国に暮らしていて、「財が足りない」と嘆いているのは、ブラックユーモアでしかない。
実は世界に、富は有り余っている。食糧なんて、生産されたうちの、ほとんどを廃棄している。ロスになるぶんの食料をITで効率よく減らしていくビジネスが生まれたりしているくらいだ。
社会の財は、足りていない……どころか、増えて増えて増えまくり、どう分けていこうか? と、あらゆる研究機関で考えられているのが、真実の現状だ。
これからは放っておいてもAIやロボットなどのテクノロジーが、富を生んでくれる時代になる。AIロボットが社会全体の富を自動的につくりだして、私たち人間みんなに、利益をもたらしてくれるのだ。経済成長も、かなえてくれるだろう。
人間がやっていた「財をなすことが目的の面倒な労働」を、AIやロボットが肩代わりしてくれる時代がやってくる。人間にしかできない仕事はどんどん減っていき、自由な時間がますます増えていく。ただそれだけの話だ。
※堀江貴文・著/『僕たちはもう働かなくていい』より