• TOP
  • 国内
  • バカッター投稿者 承認欲求の「呪縛」から逃れられない実態

国内

2019.02.16 07:00  NEWSポストセブン

バカッター投稿者 承認欲求の「呪縛」から逃れられない実態

 彼らの多くは、ときどき悪のりすることがあるものの、ふだんはどちらかというと人のよいお調子者だ。過激な「おふざけ」動画を投稿してネットを炎上させた経験があるという学生は、

「軽いノリで投稿したらおもしろがられ、期待に応えようとだんだんエスカレートしてしまった」

 と語っていた。昨年、高速道路を280キロで暴走して書類送検された男性も、過去に何度も暴走動画をアップしていて、それがエスカレートしたといわれる。

◆「期待に応えなければ」という気持ちがエスカレート

 最初は「目立ちたい」「注目されたい」という能動的な気持ちで投稿していたのが、いったん注目されると期待値が上がり、だんだんと期待に応えなければならないという受動的な心理で投稿するようになるのだ。

 TwitterやInstagramで「いいね」をもらうため、高価なアイスクリームやチョコレートを買ってほおばり、写真を撮ったらすぐに捨ててしまったり、動画を撮るために数十万円も使って海外旅行に出かけたりする人がいる。また友だちと盛り上がっているように装うため、一緒に飲んだり食事をしたりしてくれる「友だち代行」のサービスもけっこう繁盛しているらしい。

 これらも「“リア充”と認めてもらわなければいけない」「みじめに見られたくない」という受け身の承認欲求からきている。スリムな自分の写真をアップして、「いいね」をたくさんもらったことがきっかけでダイエットをはじめ、それが高じて摂食障害になるケースも少なくないそうだ。

◆仲間からの承認を意識して書き込む人が多数

 問題は、こうした「異常」なケースと「正常」な人との線引きが難しくなっているところにある。

 中学生、高校生の間では毎日「いいね」の数ばかりが話題になっているとか、友だちがLINEに投稿したら間髪を入れず反応しなければならないので疲れてしまったというような声も聞かれる。

 私は昨年末、インターネットによるアンケートで、SNSを使っている人たち409人に意識調査を実施した。

「他人から認めてもらわなければいけないと思いながら書くことはありますか」という質問を投げかけたところ、過半数 (56%) の人が「しばしばある」または「たまにある」と答えた。

 ちなみに「だれに認めてもらわなければいけないと思いますか」という質問には、「友だちや知人など」が75%%(複数回答)と圧倒的多数を占めている。多くの人が仲間から認められなければいけないと思いながらSNSを利用している実態が浮かび上がった。

「他人から認めてもらわなければいけない」という一種の強迫観念。それが近年、学校や職場、友だちどうしなどリアルな世界でさまざまな問題を引き起こしている。そしていま、ネットの世界で一気に広がってきたのだ。その実態は拙著『「承認欲求」の呪縛』(新潮新書)にも書いた。

関連記事

トピックス