「このことから、大河ドラマの視聴者は主に『ポツンと一軒家』に流れたと考えられます。街から離れた場所にポツンと住んでいる人を取り上げる番組で、出てくる人は50~70代が多い。大河を見る視聴者層と同じような年齢なので、憧れや共感を抱きやすい面もあるのかもしれません」
テレビの視聴率が全体的に低下している中で、日テレとテレ朝の日曜20時台の争いは活気を感じさせる。一方で、TBSやフジは大河から流れる視聴者を取り込めていない。
TBSの日曜は1月13日から『消えた天才』と『坂上&指原のつぶれない店』の2時間スペシャル(19~21時)を交互に繰り返している。
「こうした編成では、固定的な視聴者は掴めません。スペシャル番組はあくまで“劇薬”で、劇薬ばかり打っていると徐々に効かなくなってくる。実際、『消えた天才』の視聴率は1月13日9.6%、27日8.5%、2月10日6.9%と少しずつ下がっている。フジの日曜ゴールデン帯のスペシャル番組も、2月10日の『四大陸フィギュアスケート選手権2019 男子フリー』以外、今年に入って全て1ケタです。
1年前、テレ朝もこの時間帯に『アメトーーク!』や『ビートたけしのスポーツ大将』などを週替わりに放送し、数字が獲れなかった。その中の1つに、『ポツンと一軒家』という鉱脈を見つけ、日曜20時台に固定した。これによって、『イッテQ』の牙城を崩しにかかった。他局も、同じような試行錯誤の時期だとは思います」
日曜に限らず、現在のテレビは毎日のように長時間スペシャル番組が放送されており、3時間や4時間に及ぶこともザラにある。
「テレビ局側は『3~4時間やっていれば、どこかのタイミングでチャンネルを合わせてくれるだろう』という考えで、必ずしも3~4時間ずっと見てくれることを期待しているわけではない。ただ、その方針は、見たいトピックがあってチャンネルを合わせている視聴者に対して失礼ですし、テレビは暇つぶしでしかないと自ら言っているようなもの。そもそも、見たい部分があったとしても、3時間のうちどこに出てくるかわからなければ、見るのを辞めるか録画するかになる。つまり、視聴率には反映されにくいのです」