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2019.02.18 16:00  女性セブン

おでんのこんにゃくはひと口サイズで、94才料理研究家の工夫

料理研究家・鈴木登紀子さんのおでんレシピ

『きょうの料理』(NHK Eテレ)に約50年出演し続ける「ばぁば」こと、鈴木登紀子さん(94才)。料理本『ばぁば 92年目の隠し味』も話題のばぁばが、今の時期に嬉しいおでんの作り方を語ってくれた。

 * * *
 立春を迎え、暦の上では春ですが、朝晩の冷え込みが厳しい如月。「二月ひと月は小糠三合で暮らす」と諺にありますように、あっという間に過ぎ去っていく慌ただしい月でもあります。

 体調も崩しやすいこの時季、しみじみおいしいのが「おでん」です。かつおの薄だしを張り、頭と内臓を除いた焼き干し(煮干し)を加えて弱火で温めたお鍋に、下ごしらえをした具材を加えて煮ていきます。

 具材についてですが、ばぁばは大きなこんにゃくは感心しないの。お箸で割ることもできず、かじりつくことになりますでしょう? ですから、こんにゃくはひと口でいただけるよう小さな三角にします。これなら子供も食べやすいはずですよ。

 そして今回は、揚げボールとともに串に刺して「田楽法師」に見立ててみました。田楽法師とは、平安時代、田植えの際に豊作を祈願して田んぼで踊った芸人のこと。その舞いは“田楽舞”と呼ばれます。田楽法師は白い袴をはき、竹馬のように長い一本足の竹に乗ってぴょんぴょん跳ねながら乱舞したそうです。

 お豆腐やこんにゃく、里いもなどをつかった田楽は、田んぼで汚れて黒くなった田楽法師の袴と、お豆腐にみそを塗った串焼きの姿が似ているということが名前の由来になったようです。

 じつはおでんも田楽の仲間です。「田」に「お」をつけて“おでん”と呼ぶようになったのだと申します。寒い冬にぴったりのひと品ですが、本来は春を呼ぶおめでたいお料理だったのですね。

あら、そうこうしているうちに、お鍋の中で田楽法師さんがくつくつと踊り始めましたよ。 ここで、いったん火を止めて、具材が冷めるまで待ちます。煮ものは冷めながら味が染みていきますから、おでんもしっかり味を含めます。召し上がる前に温め直して、盛り付けてください。それからくれぐれも、溶きがらしを添えることをお忘れなきように。

◆おでんの作り方

【1】大根は1.5cm厚さの輪切りを6つ用意する。それぞれ皮をぐるりと薄くむき、面取りをして裏側に十字の裏包丁を入れる。鍋に米のとぎ汁8カップを入れ、大根を加えて火をつけ、やわらかくなるまでゆでて水で洗っておく。

【2】好みの練りものや揚げものは熱湯をかけて油抜きし、四角いものは斜め三角に2等分に切る。

【3】こんにゃく4分の1枚は水からゆでて水に取り、厚みを半分に切ってひと口大の三角形に切る。揚げボールとともに串に刺す。

【4】早煮昆布9cmは、幅2cmに切り分けて、それぞれ結ぶ。焼き豆腐は食べよい大きさの角切りにする。

【5】鍋にだし8カップを入れ、頭と内臓を除いた焼き干し(または煮干し)8本を加える。酒大さじ3、塩少量、薄口しょうゆ大さじ4を入れて煮立て、大根を加えて弱火で7〜8分煮る。昆布以外の残りの具材をすべて加えて20分ほどコトコト煮る。

【6】昆布を入れて火を止め、冷めるまでそのままおく。

【7】食べる時に温め直して器に盛り、溶きがらしを添える。

撮影/近藤篤

※女性セブン2019年2月28日号

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